アメリカ大統領選挙の候補者争いは、民主党はヒラリー・クリントンさんの指名が確定しました。二大政党では初となる女性の大統領候補です。これで共和党のトランプ氏との一騎打ちになるかと思いきや、実は、2人とも大きな弱点を抱えています。この隙を狙い、第3の候補が着々と勢力を伸ばしています。
「報道によると私たちはかつてない歴史的瞬間を迎えようとしています」(民主党 クリントン氏)
日本時間7日夜に始まる大票田・カリフォルニア州などの予備選を前に、アメリカメディアは「クリントン氏の指名獲得が確定した」と報道しました。予備選挙の結果に縛られない特別代議員の支持を積み増したためで、アメリカの二大政党で初の女性大統領候補となります。
本選を見据えて盛んにトランプ氏を批判するクリントン氏ですが、自身も本選に向けた不安要素があります。国務長官時代に私用メールを使っていた問題に加え、既成政治への批判もあって、「好ましくない」という声も多く、特に若年層の支持率の低さが頭痛のタネです。
予備選を前にした電話攻勢でも・・・
「ヒラリー氏を支持していますか?」(クリントン陣営のボランティア)
「・・・・・・・」
「切られることもあります」(クリントン陣営のボランティア)
足元を固めきれていない上、若者の人気を集めるサンダース氏は選挙戦を続ける構えで、これまた頭痛のタネです。
「カリフォルニアで勝てる!勝てば選挙はおしまいだ。我々が勝ってアメリカを再び偉大にする」(共和党 トランプ氏)
一方、いちはやく共和党の指名獲得を確定させたトランプ氏ですが・・・
「お前ら移民が一生懸命働いている中間層だって?」(トランプ支持者)
「あんた、どきなさいよ!」(トランプ反対派)
こちらも「好ましくない」という声が6割近くあり、集会会場には、反対派が必ず姿を見せます。
「非常に不愉快ですね。自身のブランドを使っているだけの商売人ですよ。アメリカのリーダーを務められるとは思わない」(ボブ・ガーデナーさん)
不満のあまり、こんなCMも製作しました。
「パパがトランプを支持するって言うから心配だ。あいつはいつも人を攻撃している。メキシコ人やイスラム教徒をね。それでもって僕の4歳のお兄ちゃんより自己中心的なの・・・」(CM)
そのガーデナーさん、トランプ氏の指名確定で本選挙での投票先は・・・
「リバタリアン党の候補に投票するよ」(ボブ・ガーデナーさん)
リバタリアン党とは、政府の関与を小さくし、個人の自由を尊重する政策を掲げている小党です。
「自由主義のメッセージを全国に届けます」(リバタリアン党 ゲーリー・ジョンソン候補)
最近の世論調査では、党の指名を受けた候補が1割近くの支持を獲得、トランプ嫌いの共和党員が流れこんだと見られています。
「史上、最も不人気な候補」と揶揄されるクリントン氏とトランプ氏、この不人気をどう克服するかが、ホワイトハウスへの道につながりそうです。(07日15:48)