はじめに
2021年4月から放送の『やくならマグカップも』(CBCテレビほか)は、美濃焼の産地である岐阜県多治見市を舞台に、陶芸に打ち込む女子高生4人の青春と成長を描くアニメ。番組後半にはメインキャラクターの声優4人が多治見を旅する実写映像もあり、声優を務める田中美海さんと若井友希さんは何度も多治見を訪れたといいます。そんな田中さんと若井さんに多治見の魅力を教えてもらいます。photo:佐野円香 text:緒方麻紀子
アニメとリアルの両方で旅をする
(左:若井友希さん、右:田中美海さん)――『やくならマグカップも』(略称:やくも)は、2010年に多治見市の有志や企業が集まりスタートした、、“街を元気にしよう”というプロジェクトの一環から生まれました。多治見が舞台の作品に出演されていかがでしたか?
田中:風景がとても細かく描かれているので、作品を見ていただくと、多治見に行ってみたいなという気持ちになるはず。アニメパートの後に実写パートがあるので、そこで「本当にこの場所があるんだ!」っていうのもわかります。30分で、すごく魅力が伝わる番組になっていると思います。
若井:多治見にロケに行った後にアニメの収録が始まりました。実在するものに触れて、その上でアニメ作品にもかかわったので、よりリアリティーを追求できた作品になったと思います。その場所でしか味わえない空気感だったり匂いだったり、そういうものをアニメを通して感じていただけると思います。
魅力1:ご当地グルメとおしゃれなカフェ
――実際に多治見を訪れてみてどんな魅力を感じましたか?若井:まずはグルメです。岐阜の郷土料理の五平餅や、多治見名物のウナギを各所で食べられるのはいいなと思います。多治見にしかないグルメもたくさんあって……、食べ過ぎてぱっと出てこない(笑)。そう、うどんを食べました。
田中:地元の方に愛されているうどん屋さんに行きましたね。それから、カフェがめちゃくちゃおしゃれ。 写真上:ロケでは多治見名物のうなぎを堪能
若井:私は岐阜の、多治見ではない場所の出身なんですが、地元の友達が「多治見はおしゃれなカフェがたくさんある」と言ってて、本当にそうだなと思いました。プロジェクションマッピングが楽しめるレストランもあって。若い人も楽しめるグルメスポットが多いです。
田中:そうそう! カフェは出てくる器全部が美濃焼だったり、陶器のお店が併設されていたり。カフェの隣だから陶器が気軽に買えるんです。しかも、めちゃくちゃ安い。なぜか、毎回割引セールがされているんですよ(笑)。
魅力2:美濃焼
――アニメのテーマの一つであり、旅でも実際に触れた美濃焼の印象を教えてください。田中:想像以上にカラフルでいろいろな種類があって、かわいいんです! カフェに入ると美濃焼のカップで紅茶やコーヒーが出てきて、地元には欠かせない存在なんだなと思いました。ロケのときには毎回、女性スタッフと私たちキャストがこぞって買う流れができあがってしまうほど(笑)。かなり虜になりました。器は毎日使うものだから、自宅で「これはあそこで買ったものだ!」って思いながら、美濃焼で食べたり飲んだりするのが楽しいです。 若井:実際に美濃焼を見て、そういえば生活の中にこんなに陶器ってあるんだなと改めて思いました。多治見ではいろいろな場所で美濃焼に触れられるので、だったら東京に帰ったらどこに美濃焼があるだろうって。ちょっと気になるようになっちゃいました。
魅力3:本町オリベストリート
――印象に残っている風景はありますか。若井:多治見の街の至るところに美濃焼が置いてあったり、見られたりします。「本町オリベストリート」というメインストリートには、夏場なら陶器の風鈴がずらーーっと並んでいたりもするんですよ。
田中:本町オリベストリートは、アニメの登場人物のお家がある通りなんですけど、めちゃくちゃおしゃれでキレイでした。ちりんちりんっていう音色も素敵です!
若井:あと、モザイクタイルとかもきれいだったよね。
田中:そう! 川沿いにタイルがあったり、駅前の道にタイルがあったり。たぶん地元の小学生がつくったようなものも貼られていて、文化を伝えているんだなって感じられます。
魅力4:虎渓山永保寺
――ここは行った方がいいという、観光にぴったりな場所はありましたか。若井:永保寺というお寺でしょうか。作品にも出てくる場所です。何百年も前に建てられた、国宝に指定されている建造物があります。
田中:すごく大きい池があって、その真ん中に橋が架かっていて、めちゃくちゃインスタ映えします。紅葉もあるし、樹齢700年のすごく大きな銀杏の木もあり、素敵な場所でした。
魅力5:陶芸体験
――陶芸の街ならではの魅力がたくさんありますね。アニメのキャラクターは陶芸部の女子高生ですが、お二人も何かつくりましたか。若井:つくりました! 陶器を見たあとに体験もできて、自分だけのお皿をつくれるっていうところは、やっぱり醍醐味です。
田中:マグカップとカレー皿の2つも作らせてもらって、愛用しています。ろくろでつくるのは結構大変でした。集中しないとすぐに形が崩れちゃうので、「先生、助けてください!」ってよくヘルプを出してました。
若井:先生に調整してもらいながら一緒に作れるので、なんだかんだでよいものが必ずできます(笑)。自分で作ったものは、すごく愛着がわくんですよ。本当に楽しい!
作品の見どころ
――そんな多治見を舞台にした作品の見どころを教えてください。田中:私が演じる姫乃は、陶芸に初めて触れて「楽しい」と思ったことをきっかけに陶芸にハマっていくものの、天才的な才能を持つ先輩や独創的な友達の姿を横目に葛藤もしていきます。葛藤しながらも成長していく、そういう姫乃の成長物語でもあると感じるので、その女の子らしい葛藤にも、注目してほしいです。
若井:『やくならマグカップも』は、女の子が普段抱く些細な感情を細かく描いている作品です。私自身、キャラクターたちが抱く感情に、「そういうことあるよね!」って共感することもあります。そうしたリアルなよさが見どころですね。そして、風景が本当に多いです。風景を俯瞰で見た映像が多く、細かく多治見の街が出ているのも推しポイントです。
――最後に旅好きの読者へのメッセージをお願いします。
若井:多治見といえば「日本一暑い街」っていうイメージがあると思います。でも行ってみると、風鈴で涼しいなって思ったり、陶器もおいしいグルメもたくさんあったりして、魅力がたくさん詰まっている街。なので、一度は行っていただきたいですね。せっかくなら暑さも体験してほしいです、本当に暑いので(笑)。それも含めて魅力です!
田中:『やくならマグカップも』を見た後に行くと、多治見のことをさらに魅力的に感じると思いますし、私も行ってみたら魅力しかない街だなって思いました。アニメで多治見を満喫して、この機会にぜひ訪れてみてください。 【作品データ】
『やくならマグカップも』
■2021年4月2日(金)より、CBCテレビ、BS11、TOKYO MX、MBS、AT-Xにて放送開始
原作はフリーコミック『やくならマグカップも』。岐阜県南東部に位置する多治見市を舞台に伝統工芸品「美濃焼」をテーマにした4人の女子高校生が陶芸の魅力にのめりこんでいく青春ストーリー。30分番組のうち、前半15分は通常アニメパート、後半15分が実写パートの2部構成となる。
出演:田中美海、芹澤優、若井友希、本泉莉奈
原作:プラネット・日本アニメーション
アニメーション制作:日本アニメーション
協力:岐阜県多治見市/一般社団法人多治見市観光協会/「やくならマグカップも」活用推進協議会
製作:やくならマグカップも製作委員会
© プラネット・日本アニメーション/やくならマグカップも製作委員会