はじめに
日本の鉄道路線をプライベートで全て乗車した鉄旅タレント木村裕子が、鉄道初心者さんでも楽しめる「おもしろ鉄旅プラン」をご提案します。今回は巫女さんに萌えキュンし、珍カフェで大笑いできる猛暑回避路線をご紹介します!
Text&Photo:木村裕子
避暑地へ連れていってくれる夏のおトク観光列車
連日溶けそうに暑い日が続いていますね。呼吸をするのも苦しいくらいですが、そんな酷暑の救世主が長野県の高原を走っているんです。
長野駅から南小谷駅を結ぶ観光列車「リゾートビューふるさと」は、涼しい避暑地へ連れていってくれる高原列車。走行するJR大糸線は北アルプスや仁科三湖の近くを走り、涼しく快適な車内で座ったまま”ふるさと情景”を大きな窓から眺めることができます。車両前後の展望台スペースは誰でも行き来できるので、ソファに座って前面展望にかぶりつき! 全席指定のため事前チケットの購入が必要ですが、より景色がキレイなD席がおすすめですよ。快速列車なので青春18きっぷ+指定席料金で乗車できる夏のおトク列車です。
◆リゾートビューふるさと
主に金土日祝に長野~南小谷を1日1往復運行
全車指定席のため事前購入必須
夏休み期間はほぼ毎日運転
巫女さんが改札から神社へ案内
土・日・祝のこの列車の南小谷行きに乗ると、走行日によってさまざまな車内イベントを行っています。例えば安曇野地方の方言による民話語りや、三味線、太鼓演奏など、車内はお祭りムードに! なかでも私が好きなのは穂高駅のスペシャルタイム。30分ほどの停車時間が設けられていて、乗客の希望者は誰でも参加できます。駅に到着して改札へ行くと、本物の巫女さんが笑顔でお迎えしてくれ、徒歩約3分の穂高神社まで連れて行ってくれます。神社境内のパワースポットである樹齢500年の親孝行の木”孝養杉”などの説明もしてくれますよ。巫女さんはかわいらしいやまとなでしこで、その姿に同性の私もキュンとしてしまいました。
北アルプスの天然水で水遊び
穂高神社でパワーを充電したら観光に向かいましょう。穂高駅からバスで10分ほどの場所にあり、日本一の生産量を誇る「大王わさび農場」へ。日本一の敷地には北アルプスの水が流れ、所狭しとわさびが栽培されています。ポプラ並木や水車小屋もあり、高原の風も涼しく散策路でリフレッシュ! ランチには、大人気の本わさび丼やわさびカレー、本わさびコロッケ、本わさびソフトクリームもあります。わさび田を眺めながら、抗菌作用と食欲増進作用がある健康食品わさびで夏を乗り切りましょう。時間があれば、穂高駅に戻る途中のバス停「安曇野の里」にもぜひ立ち寄りを。近くにある「安曇野わさび田湧水群公園」には、北アルプスの雪溶け水が湧く池があり、そこは近所の子供たちが水遊びに来るとっておきのスポット! 靴を脱いで足を浸すと、キンキンに冷えたやわらかな水がほてった体温を溶かしてくれました。う~ん!天然水の足水は最高の贅沢!
怪しすぎるカフェに女1人で突撃してみた
巫女さんが穂高神社まで案内してくれた時に、怪しすぎるカフェ「スプーンアート」を見つけました。巫女さんに聞くとなぜか苦笑い。こういった変なお店が大好きな私の興味スイッチが入り、帰り際ドキドキしながら女1人で入ってみました。「夏休みの宿題工作」という言葉がピッタリくるおもしろ作品がギッシリと並ぶ店内に座ると、店長がお水と傘を持ってきました。困惑しながら傘を開くとそこにはメニュー表が! 店長おすすめのドリンク「リューク」を頼むと、ドーーンとマネキンが登場。飲み方は写真の通りで、まさかのカルピスが出てきました。飛びぬけたアイディアが店内にもメニューにも隠されていて、終始笑いっぱなしのカフェタイム。当時仕事に悩んでいた私が店長に相談すると、ズバッと的を得たアドバイスをしてくれました。ここはストレスも悩みも吹き飛ばしてくれる最高のおもしろカフェです。
最後に木村ポイント!
カフェ「スプーンアート」の店長は、有名レストランのシェフを務めた経験を持つほどの腕前! お料理が最高においしいんです。2階建ての店内にはあちこちに小細工が仕掛けられていてまるでビックリ箱のよう。私のイチオシはお化け屋敷風のお手洗いで、入ってから出るまで声が枯れるほどに叫びました。ぜひ実際に行って確かめてみて下さいね。