はじめに
ここ数年でA5和牛のおいしさへの認知、そして日本風焼肉レストランの人気が高まっている台湾。洗練されたサービスを提供する店も続々と登場しています。そのブームを17年間にわたって支え、食通をうならせてきたのが、大阪風高級焼肉レストラン「胡同燒肉」です。厳選された肉の提供、焼く直前の味付け、快適な環境づくりを堅持。アジアのレストランガイド『The Miele Guide』に3年連続で掲載されるなど、クオリティの高さはお墨付き。おひとり様もOKなので、一人旅が多いトラベラーは要チェックです。2005年に1号店がオープン。今では12店舗を数える人気ブランドに成長。
一人でバーに座ってシェフが味付けする姿や焼き具合の腕前を眺めるもよし、親戚や友人たちと燃え盛る炎を囲んで楽しく食事するもよし。橘焱胡同(G YEN HU TONG)餐飲グループ傘下の「胡同燒肉」は、美食の激戦区・東区の路地の1号店「胡同燒肉夜食」のオープンを皮切りに、バーカウンタースタイルの焼肉サービスで人気を博し、発展してきたレストランです。『The Miele Guide』の掲載、スターラックス航空の機内食のコラボレーションなど、話題にも事欠きません。各店舗に個性あり。青菜の水耕栽培をしているお店も。
店名の“胡同”とは、北京の古い住宅街の路地の呼び名。12店舗ある支店は、この“胡同”の漢字のつくりや発音、その土地の特徴をミックスした店名を採用。例えば、市民大道にある2号店は「古月同」、野菜の水耕栽培をしている松壽路の5号店は「醐同」。台中にある最も広い空間を誇る6号店は「瑚同」、桃園にある9号店は「楜同」。他にも「壺同」「衚同」といった具合で、とてもユニーク。遊び心ある名付け同様、店構えもそれぞれの特色を打ち出しているので、複数店を巡ってみるという楽しみ方も。長く支持されてきたのは「こだわり・心くばり・熱意・革新」の職人精神ゆえ。
店内は落ち着いた木目調と黄味を帯びたライティングで、レトロな和空間を演出。赤い切り紙細工、オープンキッチン、心地よい距離感のあるバーカウンター、テーブル席の丸い吸煙炭火グリルは、各店共通の設えです。副社長の陳雅芬Fanny氏は「17年間続けられたのは、このブランドが常に“こだわり・心くばり・熱意・革新”という職人精神を持ち続けてきたから。そして、食べ放題路線ではなく、上質で美味しいお肉を味わっていただく店であり続けてきたからだと思っています」と語ります。安心安全なセントラルキッチンで、職人たちが美味しい部位だけを切り出す。
全支店とも厳選された高級食材を使用するため、毎日の数量は限定。ISO認証を取得したセントラルキッチンは厳格な品質管理を行っていて、15℃に保たれた作業場で、少なくとも2年以上の経験を持つ10数人の職人が処理にあたります。手作業で筋膜をすべて取り除き、良質な部位のみスライスする過程では、廃棄率が50%に及ぶことも。切り分けられた生肉は、その日のうちに低温の専用車で各店舗へ届けられます。シェフが目の前で味付け。焼き上がりへの期待感が高まる瞬間。
細心の注意を払って仕込んだ新鮮な食材に加え、ゲストに温かさと真心を感じてもらうべく、サービスの“温度”にも気を配っています。例えば、焼く直前の調味は「胡同燒肉」の特徴のひとつ。ゲストの好みに合わせて生肉に塩&胡椒で味付けしていきます。シェフがクールに調味料を振るパフォーマンスを目にすると、期待感が否応なく高まります。各スタッフがテーブルサイドでのサービスを提供するほか、バーカウンター席では食材ごとの焼き方を詳細に解説しながらのグリルサービスが受けられます。焼肉の楽しさが学べるうえ、自宅での調理に役立つこと請け合いです。また、焼き網を一度使うごとに交換するのは、それぞれの食材の味わいを大切にする…というこだわりゆえ。
どれを選んでも間違いなし! 全制覇したくなるメニュー構成。
目にも美味しいメニューは、アラカルト方式。厳選された日本産A5黒毛和牛、アメリカ産アンガス黒牛、オーストラリア産純血種和牛、スペイン産のイベリコ豚、ニュージーランド 産の1歳未満の子羊、そして地元台湾・彰化産の健康豚や優良豚、台湾黄金鶏、厳選ホルモン、新鮮な海鮮や野菜など、あれもこれもと欲張りたくなるラインナップです。 イチオシは、ダラス牛の厚切り三角リブ。また、薄切りの牛バラ肉用のタレは、17年ものの店の宝です。厚切り牛タンは、ジューシーなタン元ゆえ、まずは何もつけず肉そのものの味を楽しんで。その後、レモンの絞り汁またはネギ&すり下ろし玉ねぎでどうぞ。肉のうまみを多層的に味わえる幸せがここにあります。これを食べずして「胡同燒肉」を語ることなかれ!? シメには特製のスイーツを。
焼肉の宴を存分に堪能したあとは、シェフ特製のスイーツ・カラメルプリン、またはクリームチーズ・スイートポテトをどうぞ。「このデザートを注文しなかったなら、胡同燒肉に行ったとは言えませんね」とFanny氏。滑らかな舌触りのプリンは、口いっぱいに広がるミルクの香りにもうっとり。チーズスイートポテトは、ふわっと柔らかで甘じょっぱい味わい。どちらも大人にも子どもにも好まれるスイーツです。もうひとつ特筆すべきは、お取り寄せの充実ぶり。冷凍肉からA5和牛ハンバーグ、台湾の定番&伝統料理、スイーツ、そして電気ロースターまで、すべて宅配で受け取りが可能です。
あるときは自分へのご褒美に、またあるときは大切な人との親交を深めるために「胡同燒肉」で美食と美酒を楽しむ。その期待を上回る食体験は忘れ難く、何度も訪れたくなること間違いなしです。
◆醐同燒肉夜食 胡同燒肉5號店
住所:台北市信義區松壽路22號2樓
電話: +886-2-2723-8838