はじめに
幻想的な光の世界が広がる「竹灯籠」。福岡県宮若市の山あい、黒丸地区にある清水寺で、12月30日・31日の2日間に渡って竹灯籠イベントを開催します。気候条件があえば、元旦に雲海を望みながら初日の出を見ることができるというスポットで、心静かな新年を迎えてみませんか。
黒丸むらおこしの会による清水寺の竹灯籠2018(年越しイベント)
宮若市西部にある清水寺行われる竹灯篭。灯篭製作手がけるのは地元の有志「黒丸むらおこしの会」です。1本1本、手作業で竹に飾り彫りを施し、資材の調達から資金の工面、飾り付けやイベントの運営まですべてを担っています。
こちらのイベントは、東日本大震災をきっかけに、この黒丸の地から日本を応援したい、そしてこの黒丸地区を盛り上げようと始まった地域おこしのイベントで、清水寺の年越しイベントとして定着。年の世相を反映する趣向を凝らしたデザインも見どころで、見事な竹灯籠を観賞しようと、山深くにあるお寺にも関わらず多くの人が訪れます。
2015年末、宮若市イメージキャラクターの追い出し猫とスターウォーズ、干支とパワーアップ。
熊本地震復興祈念のくまモンデザイン。横は大ヒットした映画「君の名は」。
大晦日だけではもったいないと、ここ数年は2日間の開催となっており、新年を迎える時までロウソクの火が揺らぎ、日暮れ前から来てスタッフと一緒にロウソクの着火を楽しむ家族連れも多く、3000本もの竹灯籠は、節ごとにロウソクが置かれるため、その数も膨大。チャッカマンを持参して、序盤からこのイベントを楽しむのもおすすめです。
竹灯籠に全て火が灯されると、辺りは一気に幽玄の世界へ……。静かにこの一年を振り返り、新たな年に思いを馳せてみませんか。
◆清水寺竹灯籠
住所:福岡県宮若市黒丸1558(清水寺境内)
日時:2017年12月30日・31日
時間:17:00~21:00 ※31日は0:00まで
地元の子どもたちが祈りを込めて描いた心温まる三角灯篭も。
京都じゃないよ。福岡県にある清水寺とは?
この清水寺は、750年に聖武天皇の勅願所として行基が建立したとされる由緒あるお寺で、本堂に安置されている木造十一面観音菩薩坐像(鎌倉時代)は、福岡県重要文化財にも指定されています。
また、雲海の眺望スポットとしても知られており、西山の中腹約200メートルの高さにある寺からは、眼下に盆地が広がり、トヨタ自動車九州宮田工場や遠く北九州市まで見ることもできます。山間部のため放射冷却が起こりやすく、前日が雨などで湿度の高い早朝には、幻想的な雲海が見られることも。天候にもよりますが、雲海から昇る初日の出をカメラに収めようと多くの人が集まります。
年末年始、暮れの竹灯籠から、雲海の初日の出まで、静かな感動がいっぱい詰まった「清水寺」。今年の始まりは、福岡県の清水寺で迎えてみてはいかがでしょうか。