りそなグループのシンクタンクであるりそな総合研究所は、検索結果新型コロナウイルスによる感染拡大によるインバウンド関連消費の損失額が全国で 6244 億円、関西( 2 府 4 県)で 1905 億円に達するとの試算を明らかにした。
なお、関東( 1 都6 県)におけるインバウンド関連消費にもたらす影響は 2181 億円と試算。 関西の損失額について府県別にみると、大阪府が 936 億円、京都府が 590 億円 となり、この 2 府で関西全体の 8 割を占めるという。
同社によると、2003 年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の状況を参考に、感染の拡大が 4 月ごろまで続くと予想。訪日客の減少は 2 ~ 5 月にかけて進むとした。訪日客減少の動きは、感染の中心である中国だけにとどまらず、アジア全体はもちろん、北米や欧州でも広がると想定。
SARS が流行した際も、感染は中国や台湾が中心であったが、訪日客の減少は世界的に影響が出た。SARS では特に訪日客が減少した月は、マイナス 34.2% と大きく減少した。新型コロナウイルスでは、中国が出国規制を行っているほか日本も入国規制を行っているため、50%以上の減少する見込み。
なお、2 月 20 日現在、台湾の衛生当局が、市中感染の可能性があるとして感染症渡航情報で日本への渡航警戒レベルを1に引き上げたほか、韓国やタイも日本への渡航自粛を自国民に要請しており、さらに悪化する可能性もある。
一方で、インバウンド市場への影響の内訳でみると、損失額 6244 億円のうち物販が 759 億円(全体の 40%)で最も影響が大きく、次いで 1719 億円の宿泊(全体の 27%)、1300 億円(全体の 21%)の飲食が続く。
百貨店やドラッグストアを中心とした物販については、本来は消費増税の影響をインバウンドがカバーすべきタイミングであったが、新型肺炎が新たな下押し材料になっている。また、ホテルや旅館については、新型肺炎による大型イベントの自粛や自粛ムードの広がりなどの影響で国内客の減少も進むとみられ、全体の影響はさらに大きくなる可能性が高い。