日本航空(JAL)は、ボーイング777-200ER型機の新仕様機を、6月18日から東京/羽田〜バンコク線に投入すると発表した。きょう6月10日には羽田空港格納庫でお披露目が行われた。
投入するのは、東京/羽田を午前11時20分に出発し、バンコクに午後3時40分に到着するJL31便と、バンコクを午後9時55分に出発し、東京/羽田に午前6時5分に到着するJL34便。2016年度に7機、2017年度に4機の改修を予定しており、8月からは東京/羽田〜シンガポール線、2017年1月以降に東京/羽田・大阪/関西〜ホノルル線、2017年3月以降に東京/成田・名古屋/中部〜ホノルル線に投入する計画。
ビジネスクラスは通路を背にするヘリンボーンシートで、フルフラットとなる「SKY SUITE Ⅲ(スカイスイートスリー)」。全席が通路側の「1-2-1」配列で、42席を配置。従来のヘリンボーンシートでは足元が狭くなる中央席も、フルフラット時に水平となる高さを上下させることにより互い違いとなるため、足元のスペースを確保できるようになった。ベッド長は最大約198センチ、ベッド幅は最大約74センチ、アームレスト間のシート幅は約51センチから52センチ、モニターは現在より最大で6.6インチ大きい17インチとなる。大型ダイニングテーブルや専用収納スペース、4段階調節が可能なLEDライトを設置したほか、内側に小物入れがある可動式アームレストを開発した。ヘリンボーンシートの導入は日本の航空会社として初めてとなる。Zodiac Seats UKが製造した。
プレミアムエコノミークラスは「SKY PREMIUM(スカイプレミアム)」で、「2-4-2」の横8席の配列。シートピッチは一部座席を除いて約107センチ、アームレスト間のシート幅は約48センチ、モニターは現在より1.5インチ大きい12.1インチ。従来の「スカイシェル」シートと比べ、シートピッチは96.5センチから106.7センチに、シート幅は45.4センチから48.3センチにそれぞれ拡大し、快適さが増した。基本的機能は既存の「SKY SUITE」と同様となっている。Zodiac Seats Franceが製造した。
エコノミークラスは並び席の確保や通路へのアクセスが容易となる「3-4-2」配列を採用。シートピッチは一部座席を除いて約84センチから86センチ、アームレスト間のシート幅は約47センチ、モニターは10.6インチとなる。現行より、シートピッチは最大約10センチ、座席幅は約2センチ拡大した。ドイツのZIMが製造した。
ビジネスクラス用のトイレには、TOTOの「ウォシュレット」を装備するほか、機内エンターテインメントシステムは、最新の「MAGIC-Ⅵ」となり、映画や音楽など300以上のプログラムを楽しむことができる。室内照明はLEDとなる。さらに、機内インターネット接続サービス「JAL SKY Wi-Fi」を導入。全席にシート電源とUSBポートを設置する。
ビジネスクラス42席、プレミアムエコノミークラス40席、エコノミークラス154席の計236席を配置する。現行のプレミアムエコノミーを設置している計245席と、プレミアムエコノミー設置していない312席の機材から比較すると、供給座席数は最大で76席減少することになる。時刻表には「SS2」と表示される。
「SKY SUITE」シリーズは、ボーイング777−300ER型機の「JAL SKY SUITE」と、ボーイング767型機の「JAL SKY SUITE Ⅱ」を合わせて計31機に導入しており、「SKY SUITE Ⅲ」の導入で、近距離アジア線などを除くほとんどの路線で「SKY SUITE」を利用できるようになる。
路線統括本部商品・サービス企画本部長の加藤淳氏は、「エコノミークラスは3-3-3の座席配置が一般的だが、ホノルル線への就航を念頭に、3-4-2という形を実現した。ホノルル線では夫婦、カップル、家族連れ、いろんな人数の組み合わせがあり、通路への出入りの自由度が高まる。」と話した。まずはビジネス需要が高いバンコク線に投入することで、ユーザー満足度を上げたい考え。
■ダイヤ
JL31 東京/羽田(11:20)〜バンコク(15:40)
JL34 バンコク(21:55)〜東京/羽田(06:05+1)