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高知駅前観光、「フルフラットシート」を日本初導入 高知〜東京線、片道7,300円


高知駅前観光は、高知〜東京線の夜行高速バス「スマイルライナー」に新開発の2段式フルフラットシート「Sommeil Profond」を導入します。このシートは地元企業サーマル工房と垣内が設計・製造し、9年をかけ開発されました。国土交通省のガイドラインに基づき、安全性を強化。これにより、最大24席の配置が可能で、運賃は通常のバスよりわずかに高価に設定される予定です。3月4日からのモニター運行を経て、秋には週4往復の本格運行を開始します。梅原社長は、高速バスのイメージを刷新し、ユーザー層の拡大を期待しています。

高知駅前観光は、高知〜東京線の夜行高速バス「スマイルライナー」に2段式のフルフラットシートを導入する。

フルフラットシート「Sommeil Profond(ソメイユプロフォン)」を開発し、いずれも高知県内の企業であるサーマル工房が設計、垣内が製造を担う。

シートは全長180センチ、幅は48センチ、フルフラット時の高さは下部が51センチ、上部が51〜73センチの2段式。1ユニット2席で、通常の座席の状態からロックを外した上で、前方座席を上部に跳ね上げることで、フルフラット状態にする。サイドバーやはしごなどの補助パーツを設置して完成させる。

開発には約9年かけたといい、国土交通省が2024年11月に発表したガイドラインに基づき、衝突時の転落を防止する転落防止プレートや衝撃吸収材、旋回時の転落を防止する転落防止ガードや保護部材を設置。シートベルトは2点式としている。当初は短時間で可変できることをコンセプトとしていたものの、ガイドラインに準拠して強度を高めることに重点を置いた。

通常の3列標準シート車両ではトイレ付で最大28席の配置が一般的であるものの、「ソメイユプロフォン」では最大24席の配置が可能だという。2段式とすることで座席数の減少幅が抑えられ、通常の3列シートのバスの運賃に数千円程度の上乗せで利用できるようになる見通し。通常座席として使用することも可能であるほか、通常の3列シートとの混合配置もできる。

梅原章利代表取締役社長は、高知〜東京間の3列シートバスの平均片道運賃が1万円程度であることを踏まえ、本格運行開始後の片道運賃を14,000円程度と見込んでいるとした上で、「カプセルホテルのようなシンプル、安価で効率的な移動が提供できる」と自信をのぞかせた。

3月4日から週1日程度のモニター運行を開始し、片道7,300円の公式ウェブサイトからの予約限定で特別価格を設定する。2月7日から予約受付を開始する。

モニター運行期間の乗客からのフィードバックを受け、品質を高めた上で、秋ごろにも週4往復の本格運行を開始する計画。路線内容は検討中。本格運行開始後には他社への提供を開始する見通しで、バス全体に導入した場合には約4,800万円程度を想定する。1ユニット単位でも販売する。2025年度は6両程度の製造が可能で、以降は引き合いによって変動するとした。

梅原社長は、「高速バスは安いけれどきつい、つらいというイメージがあるが、イメージを根底からくつがえせれば、ユーざーの掘り起こしにつながる」として、推し活ブームやホテル代の高騰も追い風になると期待を示している。

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