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井筒屋、米原駅での駅弁事業から撤退へ


老舗の井筒屋は、駅弁事業を2024年3月20日をもって終了すると発表した。井筒屋は、1854年創業以来約169年にわたり地元の名物駅弁を手作りで提供してきた。しかし近年の食文化の変化、食の工業化、および地域交通の役割の変化により、業を終える判断を下した。「湖北のおはなし」といった名物駅弁は長年にわたり人気を博し、地域の文化を体現する存在だったが、この変化の中で、井筒屋らしい選択として撤退することに至った。最後の注文は2024年2月28日納品分までとしている。

井筒屋

井筒屋は、駅弁事業を3月20日をもって終了すると発表した。

同社は1854年に創業した老舗で、東海道線が全線開通した1889年からは米原駅で駅弁を販売している。唐草模様の風呂敷に包まれ、季節によっておこわの具が変わる「湖北のおはなし」などの名物駅弁がある。

井筒屋では、「旅のお供であるべき駅弁とは何か、その土地ならではの駅弁とはどういったものかを思い巡らせ「味をえらび 味をととのえ 味ひとすじに」納得いただける商品をお届けしたいと、日々励んでまいりました。しかしながら、昨今の食文化は娯楽化がもてはやされ、誤った日本食文化の拡散、さらには食の工業製品化が一層加速し、手拵えの文化も影を潜めつつあります。そのような環境に井筒屋のDNAを受け継いだ駅弁を残すべきではないと判断致しました。加えて、米原はもはや交通の要衝ではなくなった現在、構内営業者としての井筒屋の役割も十分に果たすことができ、業績を残すことができたと思っております。時代の変遷に振り回されることなく、井筒屋らしく、とるべき道を選び、令和7年3月20日をもちまして、駅弁事業からは撤退致します」としている。

なお、注文は2月28日納品分をもって終了する。

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