日本航空(JAL)と理化学研究所は、スーパーコンピューター「富岳」を用いて、機内の空気循環システムの効果検証と、効果を踏まえた機内における飛沫の予測を行った結果、機内の空気の清潔性とマスク着用の重要性を確認したと明らかにした。
仮想的にウイルス飛沫で汚染された空気を機内に満たし、エアコン換気でどのように浄化されていくかを評価したところ、外気による換気のほか、高性能空気フィルター「HEPAフィルター」を通した循環空気によって、3分程度で機内の空気が浄化されることがわかった。
また、機内でマスクを着用せずに咳をした場合、10ミクロンより大きい飛沫は咳をした人の前方1メートル以内に落下し、10ミクロン以下の小さい飛沫はエアコンの風に乗って空中を漂うものの、機内の空気循環システムにより3分程度で客室内から排除されることがわかった。
飛沫の拡散は着席姿勢によって影響を受け、通常姿勢の場合は前列シートの背もたれがパーティションのような役割をすることで、大きい飛沫の拡散を抑えている。小さい飛沫は、リクライニング姿勢の場合、通常姿勢の場合よりも広範囲に拡散するという。発生する飛沫そのものを減らす観点で、マスクの着用による感染リスク低減効果は大きいとしている。
⇒詳細はこちら