国土交通省は5月1日、全日本空輸(ANA)に対し、事業改善命令を行った。
2019年11月7日、福岡発東京/羽田行きのANA242便の機長から、乗務前検査でアルコールが検知され、同便を含む4便の出発が、最大1時間13分遅れた事案に対するもの。
この機長は、乗務前日の午後8時ごろから午後10時ごろまで、福岡市内の居酒屋で、ビール(500ミリリットル)を4本飲酒。翌朝、福岡空港で行った乗務前アルコール検査で、基準値を超える1リットルあたり0.22ミリグラムのアルコールが検出されたため、別の乗務員と交代した。12月10日付けで懲戒解雇となっている。
平子裕志代表取締役社長は、「2019年2月に運航乗務員の飲酒にかかわる運航便遅延事象を発生させ、4月に業務改善勧告を受けている中、11月に同様の事象を発生させ、お客様をはじめ関係の皆様に、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。今般の事業改善命令を厳正に受け止め、安全運航を堅持するとともに、さらなる対策の実施を含め、全役職員一丸となって再発防止を図り、信頼回復に努めてまいります。」とコメントした。ANAでは、社員の意識管理や自己管理の強化、支援のほか、検査体制の強化・再構築に取り組む。
片野坂真哉取締役会長と平子裕志代表取締役社長、清水信三代表取締役副社長執行役員は役員報酬の30%、横山勝雄取締役執行役員は役員報酬の20%をそれぞれ2ヶ月減額する。