全日本空輸(ANA)と豊田自動織機は、中部国際空港で自動走行トーイングトラクターの実証実験を、2月10日から14日まで行った。
2019年10月に佐賀空港で行った実証実験に次いで、2回目の実施となる。
飛行機の発着や車両の往来が多く、屋内外での連続した長距離走行時にも安全でスムーズに自動走行が可能であるかを検証するもので、手荷物荷捌き場から機体の間は往復で2.5キロを、4台のコンテナに荷物の代わりとして重りを載せて走行した。
豊田自動織機製の自動走行トーイングトラクターは、GPSやジャイロのほか、安全のため、レーザーで対象物の距離を把握できるLiDARを車両の前方、後方、上部の3ヶ所、事前に撮影した路面の写真とマッチングすることで位置を把握できる「路面パターンマッチング」や遠隔監視のためのカメラも搭載している。「路面パターンマッチング」は、GPSが利用しづらい、屋内での位置測位に有効だという。
国内では、航空需要の拡大や生産年齢の人口に伴い、労働力不足が深刻化しつつある。現在は受託手荷物や貨物、乗客の搬送を人が担っているものの、単純な地点間往復を自動化することで、より省力化を進めることができ、より少ない人数で航空機を運航することができるようになる。今回の実証実験で抽出した課題をもとに検討を進め、実用化を目指す。