Ctrip.com International(シートリップ)傘下の日本法人、Trip.com Japan(トリップドットコム)は、「当サイトにおけるリクエスト予約に係る問題に関して」と題した声明を、12月12日未明に公開した。空予約などの一連の不祥事による声明の発表は4回目。
空室がない宿泊施設の部屋を、「残り1室」などと偽ってリクエスト予約という形で販売していた件数は12月4日時点で403件で、そのうち12月12日時点で366件の予約は部屋の確保ができたという。部屋の確保ができていなかった予約は37件で、トリップドットコムではキャンセル処理を行い、予約客には部屋のアップグレードや他宿泊施設の提案を行い、手配ができなかった場合は全額返金と1泊目の宿泊料金の3倍の金額を賠償するとした。うち17件は利用者への対応を終えており、残りの20件は12月13日中に対応を行うとしている。
「オンリクエスト」はトリップドットコムとの契約がない宿泊施設でも、宿泊施設に無断で存在しない部屋タイプやプランなどを販売しているケースもあり、これらのほとんどで通常の販売価格より最高で3倍程度と、不当に高額で販売を行っていた。予約が成立していないにも関わらず予約客が宿泊施設を訪れることや、予約客予約確定のメールを受け取った予約が宿泊施設側で確認できなかったケースもあり、少なくとも今夏頃から増加しているという証言がある。トリップドットコム側はキャンセルなどにより空室が出た場合、他のオンライン旅行サイトなどを使って割安に宿泊予約を行い、不当に高額なリクエスト予約で受け付けた予約と紐付けることで、差額を得ていたものとみられる。リクエスト予約はほとんどの場合、キャンセル時に全額などの高額なキャンセル料を支払う必要があるほか、宿泊予約ができなかった場合には全額を返金すればよく、トリップドットコムにはリスクが少ないものだった。トリップドットコムは、不当に高額のまま予約が確定した人に対する返金や、宿泊施設への賠償などについては明らかにしておらず、宿泊施設側からは賠償を求める声も上がっている。
トリップドットコムでは、「この度は、弊社の管理不足により、皆様にご迷惑をおかけしておりますこと、改めて深くお詫び申し上げます。今後は、皆様からいただいた貴重なご意見をもとに、サービスの改善に努めて参りたいと考えております。Trip.comは日本のお客様に寄り添い、日本の宿泊施設様とパートナーシップを深め、より良いサービスをより多くの皆様にご提供できるように努力を続けてまいります」としている。
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