全日空(ANA)は、2018年から機内や空港ラウンジで提供する日本酒の選定会を、神奈川・川崎のANAケータリングサービス(ANAC)川崎工場で行った。
選定会は、「ANA SUITE LOUNGE」で提供するもの、国際線ファーストクラス専用として提供するもの、国際線ファーストクラス・ビジネスクラス兼用で提供するもの、短距離国際線ビジネスクラス・国内線プレミアムクラス兼用で提供するものの4つのカテゴリーに分けて実施。ANAC社員をはじめ、日本酒評論家でANA日本酒アドバイザーの太田和彦氏、機内食担当のシェフ、客室乗務員やラウンジスタッフらが参加し、260銘柄の中から事前の書類選考を通過した33銘柄を、ラベルを隠して試飲するブラインドテイスティングで選定を行った。
参加した社員らは日本酒の色や芳香、味を一杯ずつ確認し、手元の採点シートにコメントや点数を書き込んだ。選定に際して意識したポイントなどを問われると、太田氏は「トレンドはフレッシュな生酒タイプで、やや甘口。最前線の良いものを見せたい。今の日本酒の一番新しいものを選べているという自信はある。外国の方に好まれるものというのも意識した」とコメント。客室乗務員のひとりは「外国人のお客様から和食と一緒に日本酒を試してみたいというリクエストを受ける。外国人の方に好まれそうなもの、口当たりの良いものを選んだ」、和食担当のシェフは「和食は日本酒と合うように作られているが、洋食を召し上がるお客様にも『これが日本の酒』というのがわかるようなもの、伝統的な味わいのものを選んだ」とそれぞれ回答した。今回の選定会の評価を参考に、精米歩合や生産地など全体のバランスを調整したうえで銘柄を最終決定する。
また、この日は同時に珍味の選定も実施。全て新作の珍味が並び、常温で提供するものを「小いわし天」「浜焼きつぶ」「まつのゆきとチーズ粽菜」の候補3種から1品、冷蔵で提供するものを「黒ミル貝このわた和え」「国産天然ふぐ白造り」「アボカドチーズわさび和え」など候補7種から3品選定した。選ばれた日本酒は2018年3月から、珍味は同6月からそれぞれ1年間提供する。