納車時に「コネクティッドサービス」の手続きをした。車両の登録から初期3年間は無償。4年目以降は有償である。エアバッグ作動時や後突時、もしくは車内の「SOSボタン」を押した際は緊急通報オペレーターにつながり、乗員に代わって救急・警察を手配してくれる。その際、車載通信機を通じて位置情報を発信する。実にありがたい機能だが、できることなら、お世話になりたくないものだ。
TEXT &PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)
重大な故障が発生した際、センターディスプレイ上で「オペレーターに相談」を選択するとオペレーターにつながり、アドバイスをもらうことができる。長期レポートのネタとしては体験しておきたい気がしないでもないが、やはり、使わずに済ませるにこしたことはない。「こういう機能が備わっている」ことを知っておくことが大事だ(いざというときのために)。
スマートフォン専用アプリ「MyMazda」とコネクティッドサービスを連携させると、便利な機能が使えるようになる。サービスは2019年9月27日から始まっているが、まるで他人事だったので、きちんと向き合っていなかった。「そんなアプリあったんだ」という印象である。関東マツダ・高田馬場店の営業担当、飯田雅人さんが我がMAZDA3の養生フイルムを剥がしている間にアプリをインストールし、初期設定を済ませた。
車内に乗り込んで車載システムと連携させれば、設定は完了。こういうとき、手取り足取りなのは本当に助かる。「リモートコントロール」では、ドアロックやハザードランプのオンオフができる。ホンダ・ヴェゼルの同種のアプリのように、ドアをアンロックしたりエアコンをオンにしたりする機能は備えていない。電気自動車(EV)のマツダMX-30 EVの場合は、充電(オン/オフ)やエアコン(オン/オフ、温度設定など)の遠隔操作も可能だ。
クルマの状態を確認できる「リモートモニター」では、燃料残量(%で表示)やオドメーター(総走行距離)、走行可能距離、ドア/エンジンフード/リヤゲートの開閉状態、ハザードランプ点灯状態が確認できる。オドメーターの数字はネットで任意保険を契約更新する際に役立つだろう(実際、役立った)。わざわざクルマまで確認する手間が省けるからだ(ま、この場合、役立つのは年に1回ということだが……)。
まだ乗り始めてそんなに経っていないが、「うっかり通知」が結構な頻度で届く。「運転席ドアがドックされておりません」とか、「ボンネットが開いております」と、その通知には書いてある。アプリ画面の「リモートモニター」で確認すると、該当部分が赤く光って異常を知らせている。「閉めたはずなんだけどなぁ」と疑問に思いつつメーターを見ると、半ドア警告灯は点いていない。念のためにクルマを降りて確認するが、異常はない。大丈夫なはずと思いつつも、通知を受け取った状態でのドライブは落ち着かないものだ。
これまで何度か「うっかり通知」を受け取ったが、異常があった試しはなかった。「うっかり通知してしまった」という意味の「うっかり通知」なんだろうと、いまのところは思っている。きっと、徐々に洗練されていくのだろう。
便利なのは、ナビゲーションの「目的地送信」だ。MyMazdaのトップ画面にある地図アイコンをタップすると、検索ウインドウが出てくる。そこにキーワードを入力するなり、住所を入力するなりすると目的地を検索することができる。「目的地送信」をタップすると、クルマのナビゲーションに目的地情報が送信される。あらかじめ情報を送信しておくと、クルマに乗り込んだ際の手間が省ける。
という使い方もありだが、普段使いにも便利だ。コマンダースイッチを操作して目的地を設定するより、MyMazdaを使って目的地を設定するほうが手間はかからず、早い気がする(個人の感想です)。目的地を検索したら、「目的地送信」をタップ。ほどなく、センターのディスプレイに「新しい目的地を受信しました。目的地に設定しますか?」と表示されるので、「設定する」を選択すればいい。まだほんの数回しか試していないが、とっても便利だ。
納車式は続く。おや、飯田さんが何やら黒い箱を持ってこっちに来たぞ。なんですか、それ?(つづく)。