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コンディション抜群のホンダS800M! フルオープンボディと4気筒DOHCエンジンは健在


6月20日に群馬県で開催された「道の駅おおた」サンブレフェスタ。会場には地元の名車乗りたちが駆けつけ、来場者を楽しませてくれた。その中の1台が、コンディション抜群のホンダS800だ。

ポルシェ乗りが欲しくなった名車、ホンダS800M

ホンダS800の最終型であるM。

「道の駅おおた」サンブレフェスタは午前9時に開会式が行われ、午後3時半まで開催されたが早い時間帯で切り上げる参加者もいる。今回紹介するホンダS800Mもその1台で昼前にはお帰りになったようだから、見逃した来場者もいることだろう。




このS800は最終型になるMで、前後にサイドマーカーが追加されたモデル。コンディション抜群だったためオーナーの宇井さんに話しかけたところ、この方がとんでもないマニアだった。ポルシェ550スパイダー、同906といった古いポルシェ製レーシングカーを数多く所有した経験があり、今でも古いポルシェのほかにジャガーXK120やMG・K3などを所有されているという。

サイドマーカーが装備された最終型。

そんな宇井さんがなぜホンダS800を選んだのかといえば、若い頃に乗っていたことがあったからだとか。学生時代に購入した思い出のクルマがホンダS800で、スポーツドライブを覚えたのもS800だった。すでに70歳を過ぎた今だからこそ、思い出のクルマにもう一度乗ってみようと思われたのだろう。

ステー付きのルームミラー。

数々の名車を乗り継がれてきた人らしく、S800を手に入れるために頼ったのが専門店のガレージ・イワサ。筆者も何度か取材でお世話になっている名店で、古くからホンダSシリーズやロータス・エランのレストア・車両販売を手掛けている。同店の岩佐社長に相談すると、程度の良い最終型で古いクルマを専門に扱うドイツの雑誌に掲載されたモノがあるといわれた。それが現在の愛車というわけだ。

張り替えられたホロ。

パッと見ただけでフルレストアを施されたと思われる抜群のコンディションで、50年以上前の個体とはとても思えないほど。Sシリーズはモノコックではなくフレームが別体になるボディ構造ゆえ、レストアするにはフレームを外した状態で行われる。このS800Mもそうされたのだろう。もちろんホロなどの傷みやすい個所は新品にされている。

4気筒DOHCのエンジン。

4連CVキャブレター。

ホンダSシリーズの魅力はフルオープンになるボディと、先進的だった4気筒DOHCエンジンだ。Sシリーズは1963年に発売されたホンダ初の乗用車で、一足早く発売された商用車のホンダT360とともに当時画期的だった4気筒DOHCエンジンが採用された。Sシリーズは1964年にS600、そして1966年にS800へと排気量を引き上げていくが、DOHC機構は変わっていない。このS800では791ccの排気量から70psという高出力を誇った。2輪車のように気筒ごとにキャブレターを装備していたことも特徴だ。

室内のコンディションも抜群。

シートも張り直されている。

このDOHCエンジンもオーバーホールされているようで、オーナー曰く「とても静かで状態が良い」という。古いクルマのエンジンだと、とかく音が大きいものと思われがちだが、本調子が出ているものだと静かに回るのだ。ただ、やはり古いクルマなので冬場の冷間始動には気を遣うそう。無理にアクセルを煽ったりするとプラグがかぶってしまうからだ。また雨の日は乗らないようにされている。




基本的にオリジナルを保っているが、オーナーのこだわりでステアリングホイールはS600のウッドに交換してもらっている。またスチールが純正のホイールはRSCタイプのアルミに変更している。といっても、どちらも純正といえば純正のようなもの。名車らしく乗る見本のようなホンダS800Mだった。

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