ほぼ1年ぶりの更新で、連載と言えるかどうかも怪しい連載第6回目!
今回は結構なコストが掛かるしクルマのクセも強くなる、ちょっとハードな内容。ですが、アルトワークスをスポーツカーとして乗る上では避けて通れない、必須のメニューをご紹介。”一線を超えても構わない”という貴方、ぜひ見ていって頂戴!!
オーナーの悩みを一気に解決するスペシャルアイテム
一応超簡単に説明をしておくと、駆動輪の片側が空転してしまった際に左右輪を直結させて空転による駆動ロスを抑制してくれる駆動系のパーツだ。
アルトワークスのオーナーなら、元気よく愛車を走らせようとアクセルを強く踏み込んだ際に、不意に発生するタイヤの空転(ホイールスピン)を経験しているだろう。
特に雨の日などは路面も滑りやすいので、顕著に現れる。
軽い車体に加速力重視のギヤレシオというアルトワークスの美点が、ホイールスピンを誘発しやすい要因ともなっている。
さあ加速するぞ! と勇んでアクセルを踏んだ瞬間に“ザザザーッ”とホイールスピンが起きた時のガッカリ感はアルトワークスオーナーのあるあるではないだろうか?
こういった場合、普通車であれば太いタイヤにサイズアップしたりハイグリップタイヤに履き替えるのが常套手段だが、軽自動車の場合ホイールハウス内の寸法に余裕がないのでサイズアップやタイヤ銘柄の選択肢に制約があるので、ホイールスピンの根本的対策とは言い難い。
当たり前の話だが、タイヤが空転しているということは、せっかくのパワーが路面に伝わっていないので、クルマは前には進まないし、前述の通りのガッカリ感は、アルトワークスで感じる数少ない残念なポイント。
サーキットでのスポーツ走行では、いかにホイールスピンをさせないように走らせるかといった楽しみ方も出来なくはありませんが、せっかくストレス解消で走っているのですから、アクセル全開で行きたいですよね。
さらに、サーキット走行でタイムアップを目指すならホイールスピンは死活問題です。
これらの問題を一気に解決できるスペシャルアイテムがLSDなのだ!
効果の程はと言えば、私のアルトワークスチューンでは街中はもちろん、サーキットのタイトコーナーの立ち上がりで必ず発生していたホイールスピンが見事に消え失せ、ラップタイムもグッと短縮することに成功。
どんな状況でもアクセル全開にすればグングン加速する気持ちよさを獲得できた。
導入前に気にすべきふたつのこと
アルトワークスのウイークポイント=オーナーの悩みごとを解決してくれるL S Dチューンだが、
冒頭にも書いたように、導入前にはふたつほど気にすべき点がある。
まずは、そのコスト。
私が装着したクスコのType-RSは定価が税込10万3400円。そして装着工賃も5万円から8万円程度は掛かる。
FF車の場合は、エンジンと連結したミッションケースの中にデフが収まっているので、写真のように車両からミッションケースを外すことになるのでFR車よりも作業が大掛かりになってしまうのだ。
ふたつ目のポイントは、セッティングによっては車の操縦性が変わってしまうこと。
LSDのセティングは、その効きの強さや作動タイミング、アクセルオンとオフ両方で作動させるかorアクセルオフのみで効かせるかなど、自由度が高いのでやりようによっては大幅に操縦性が変わる。
私の場合はホイールスピン撲滅によるサーキットのタイム短縮だったので、何しろ「すぐ効く・強く効く」という極端な仕様とした。
前述の通りご機嫌な加速性能は手に入れたのだが、アクセルをちょっと踏んだだけでLSDが作動してグングン加速するので、慣れないうちは街中でハンドルの向きを意識しないままにアクセルを踏んで、思わぬ方向にクルマが進んでヒヤッとするようなこともあった。
もちろんそこまで極端なセッティングにしなければそんなことも起きないが、
今までお伝えしてきた日常の使い勝手を損なうことないチューニングメニューと比べると、場合によっては乗り手を選ぶようなクセのある操縦性にもなり得るメニューなので、導入に当たってはよくよく検討してから行ないたい。
さらに、L S Dのセッティングはハンドリングにも影響するので奥が深く、理想の乗り味を手に入れるにはどういうクルマにしたいかという、自分の目的や要望をはっきりさることも重要。
その上で、ノウハウ豊富な実績のあるショップでよく相談した上でチューニングを依頼しよう。
これらをクリアすれば、ノーマルでは決して味わうことのできない、高次元なアナザーワールドに連れて行ってくれる。
まさにこの連載のタイトル通り、自由自在に「ぶっとばせる」アルトワークスに仕上がること請け合いだ!