2021年2月に日産ノートがフルモデルチェンジを迎えたことで、トヨタ・ヤリス、ホンダ・フィットという国産コンパクトカーの中でも屈指の人気を3車種が、ついに新世代として足並みが揃った。ここでは各車がセールスポイントとして挙げているハイブリッドに着目して、それぞれの特徴を浮き彫りにしていこう。
エンジンとモーターの役割に注目
2019年12月に行なわれたトヨタ・ヤリスのフルモデルチェンジを皮切りに、2020年2月にはホンダ・フィットが、2021年2月には日産ノートがそれぞれ新世代へと切り替わった。各車とも全方位で進化しており、室内の広さや快適装備、安全装備の違いなどはカタログなどで比べることができる。もちろん、燃費も以下のように比較できる。
トヨタ・ヤリス:36.0km/L(WLTCモード:最良値)
日産ノート:29.5km/L(WLTCモード:最良値)
ホンダ・フィット:29.4km/L(WLTCモード:最良値)
上記の数値はいずれもハイブリッドのグレードが達成する数値で、ヤリスが最も優れているように見える。しかし、ひと口に“ハイブリッド”と言っても、実は3車種ともそれぞれ異なるシステムを搭載しており、クルマ選びでは各システムの特徴まで踏み込む必要がある。
そのヤリスの走りで特徴的なのが力強さで、アクセルを踏んだ瞬間をはじめ、ドライバーの意図通りにスムーズな加速をこなしていく。その一方で、50km/hを超えたあたりでモーターの出番は徐々に減るが、日常的に使う速度域ではモーターの旨みを効率良く引き出しているという。
そのフィットの走りで特徴となるのが質感だという。唯一4気筒エンジンを搭載するほか、サスペンションの支持部の強化など、先代から踏襲したプラットフォームの課題点を着実に克服したことでモーターによるレスポンスの良さに加えて、操舵に対する反応の正確さや一体感も魅力だという。
そのノートの走りで特徴となるのが瞬発力だという。走行を担うモーターは0〜2900rpmの領域で28.6kgmを発揮し、同じくモーターでの走行がメインとなるフィット(25.0kgm/0〜3000rpm)を上回る。ヤリスよりもアクセルを踏み込んだ瞬間から加速までのラグも少ないという。
ひと口にハイブリッドと言ってもシステムによって持ち味は変わる。数値や機能も大切だが、実際に乗って感じるフィーリングも忘れてはならない。