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灯油のランタンには魔力がある。フュアハンド(FEUERHAND)灯油ランタンの炎を愉しむ 【スズキ・ジムニーでアウトドアへ 】



最近キャンプ用として注目を浴びているのが、この灯油のランタン。照明能力は低いが、灯油のランタンにはLEDや焚き火、ガソリンランタンにはない”魔力”がある。


TEXT &PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)

フュアハンド(FEUERHAND)灯油ランタン。ドイツ生まれのブランド。1893年からの歴史がある。


吾輩はスズキ・ジムニーである。1986年の生まれで、型式はM-JA71Cだ。金属のルーフもエアコンもない。「4WD→2WD→4WD」と手動で切り替えるパートタイムの四輪駆動車である。錆も進み、ボディもあちこちが凹んできているので、ゆっくりと余生を送ろうとしていたが、週に1回、アウトドア・フィールドに出掛けることとなった。

音もせず、そして確実に灯し続ける。照明としてよりも心を和ませる炎として、灯油ランタンはトップクラス。


昔話を偉そうにここで書いても意味がない。ただ、誰にでも歴史があり、想い出はあるはずだ。それを楽しむには酒類がかなり有効だ。吾輩はアルコールが苦手なのだが、その雰囲気は大好きである。




言葉もわからない外国のビストロやバール。彼らの言語はただのBGMとなるだけだ。不思議と日本にいても、誰とも話すことがない環境下よりも孤独は感じない。食べ物は周りを見回して、他の客が頼んだものを指差せば良い。グズグズしていると、厨房へ連れていかれることになる。厨房で食材を指差せば、あとはシェフにお任せということになる。




そこが歴史がある店かどうかなんてのはわからない。だが、昔からの当たり前のように使われている照明は赤い光だ。そして赤く照らし出された席で、その光の環境に酔う。昼間と夜は違う時なのだ。



多くのカラーが選べるのもフュアハンドランタンの魅力。夕暮れになる前に点火してお気に入りのカラーを楽しむのも良い。


最近キャンプ用として注目を浴びているのが、この灯油のランタン。欠点を挙げると、かなりある。密閉されているわけではないので、移動時に燃料が漏れることがある。燃焼時の匂いも嫌う人がいるだろう。照明能力は極端に低い。




ただコイツには高性能なLEDやコールマンのガソリンランタンにはない魔力がある。ソロでキャンプをしていても、ただ、薪を燃やしたり、酒類を呑んで時間を費やしているわけではない。単純な作業をしながら、心はランタンの光のように揺らいでいるのである。 


未来を考えたり、過去を思い出しているのであるが、この灯油ランタンは特に過去に迷い込ませてくれる光、そんな「光」なのだ。確かに「焚き火」にもその要素は多々あるが、燃焼する時に音が出てしまう。また明るさを求めるのなら、コールマンのガソリンランタン。そのかなり大きな燃焼音は、孤独感からは開放はしてくれる。だが、その音で現実の世界へすぐに引き戻されてしまうのも確かだ。LEDの照明は音も出ず、また光を赤く変更はできるのだが、何かが足らない。光が揺らめかないので心も炎に同調せず、揺らめかないのかもしれない。

陽が落ちるにつれ、ライトグリーンの灯油ランタンが闇に包まれてネイビーに変わって見える。


灯油の匂いに関しては、パラフィンオイルを使用する方法がある。虫除けの成分を含んだもの、アロマの香りを楽しめるもの等が数多く製品として揃えられている。




そうだ、キャンドルのランタンも灯油のランタンと同じような効果がありそうだ。コイツらに炎を灯し、夕暮れを迎える。ランタンやキャンドルの炎を見つめていると、普段は思い出すことのない、「あの人」の仕草に逢えたりするかもしれない。時は流れるが想い出は蘇る。

メンテナンス等で分解できる部分。本体、ホヤ、燃料キャップ、そしてバーナー部。

点火する時は燃料キャップを手前に見て左側のこのレバーを押し下げる。するとホヤの部分が上がるので点火。その後レバーを戻す。

火力調整用のレバー。消火は特に確実に。

煤は出るので、清掃は必要である。本体を押さえてトップを引き上げると、ホヤをホルダーごと倒せる。

バーナー部を下から見る。密閉されていないので、大きく揺れると燃料は漏れてしまうので注意。燃料を入れすぎないこと、またできれば吊るしての運搬が効果的と思う。


ー吾輩はスズキ・ジムニーである。型式はM-JA71C。名前はまだないー

今日はディナーに手羽元の唐揚げを作るよ

ランタンの撮影は夜なので、ランチとディナーは同じもの。手羽元の唐揚げを作るよ!

主役はこちらかも?シーズニングパウダー。さっと一振りで違う味が楽しめる。バーベーキュー味、ライム・ペッパー・ソルト、チリガーリックを今回はチョイス。

鶏の手羽元を用意。食べやすく、美味しい部位。

手羽元を常温に戻し、チリガーリック味のシーズニングパウダーを適量振りかけておく。
薄力粉をたっぷりとまぶしておく。
バーベキュー味。実はそれほど期待はしていなかったが、慣れ親しんだ味なのか、美味しかった。
同様に薄力粉をたっぷりと。人数が多ければ、薄力粉の量でボリュームを出し、質量を増やす。
ライムペッパーソルトはさわやかな味に仕上がる。

さあ揚げていく。当然ながら、出来上がりの見た目は変わらない。

味の濃さは好みがあるので、後からシーズニングパウダーを追加でも良いと思う。薄味に仕上げておくのも良さそうだ。

See you!


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