ルノー/日産アライアンスとダイムラーは2010年に戦略的な提携を結んだ。その成果のひとつが、ルノーが基本設計を行ない、メルセデス流に仕立てたディーゼルエンジン・OM626である。
TEXT:世良耕太(SERA Kota)
メルセデス・ベンツの最小排気量ディーゼルはOM651の1.8ℓ・直4(100kW/300Nm)だったが、2014年に新たな最小排気量エンジンが登場した。OM626がそれで、排気量は1.6ℓ。
シリンダーヘッドはアルミだが、クランクケースは鋳鉄。ソレノイド式インジェクターによる最大噴射圧は1600barで、2015年的視点で眺めれば、ロースペックの部類に入る。が、もちろんEuro6に対応。Cクラスと組み合わせた際のCO2排出量は99g/kmでしかない。15.4の圧縮比は欧州産ディーゼルとしては低い部類に属するだろう。シングルのターボは可変ジオメトリー。デュアルマスフライホイールを採用することにより、バランスシャフトを不要としたのも特徴だ。
鋳鉄製のシリンダーブロックはクローズドデッキ構造。縦横にリブを張り巡らせることで高剛性とした。クランクシャフトは5つのキャップ+2本ボルトで留める方式。ピストンはスチール製を用いる。
■ OM626
気筒配列 直列4気筒
排気量 1598cc
内径×行程 80.0×79.5mm
圧縮比 15.4
最高出力 100kW/3800rpm
最大トルク 320Nm/1500-2600rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI
VVT/VVL ×/◯
(C200d)