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4月25日に開催された富士見自動車博覧会で見つけたクルマたちを紹介してきた最後は、なんとも可愛らしいポータートラックで締めくくりたい。前回も同じポーターだったが、こちらはバンではなくピックアップのトラック。ボンネット型軽トラックは絶滅してしまったけれど、こんな姿を見たらまた欲しくなってしまいそうだ。
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前回も紹介したように、1968年に発売されたマツダ・ポーターは軽商用車としてバンとトラックをラインナップしていた。どちらも残存数が少ない希少車だが、ピックアップ型のため実用性が高かったのか、バンよりトラックを多く見かけるように思う。この日は珍しくバンとトラックが並んで展示されていたので、トラックも紹介してみよう。
ポータートラックはボンネット型トラックで、同時期にマツダからポーターキャブというキャブオーバー型のトラックもあった。こちらは1988年まで生きながらえたモデルなので今でも目にすることがあるだろう。ボンネット型のため積載性では不利だが、それでも荷台には1ダース入りビール瓶が平積みで12ケースも積むことができた。
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このポータートラックのオーナーは金丸大史さんで、今から3年前に手に入れた。やはり可愛らしいスタイルに惚れて購入されたが、ノーマルで乗る気はなかった。このイベントへ一緒に参加したポーターバンに乗る井上さんを頼り、早速カスタムを始めたのだ。
そのためカスタム手法は前回紹介した井上さんのポーターバンとよく似ている。ただポイントごとに独自性をアピールしていて、まず違うのがフロント周り。バンはグリルやエアダムをワンオフしていたが、こちらはノーマルを生かしてグリルやバンパーは純正を使いつつ色を変えている。またボンネットにある純正のプレスラインに沿うようフタを作ってボディ同色にペイント。またステーを製作した砲弾型ミラーも微妙に形状が異なるのだ。
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圧巻なのが前後に履くワイドタイヤで、純正だと5.00-10サイズだが現在は165/70R10まで太くしている。これは井上さんが製作したワイドリムホイールによるもので、リムだけ製作してハブ側のお皿は純正を使っている。よくあるワイド加工のスチールホイールはリムを切断して延長するのが通例だが、これは根元から別のリムを組み合わせているのだ。
エンジン本体はノーマルながらエアクリーナーケースを使いつつフタを外してエアクリーナーを変更。また排気側は、これまたワンオフ製作したサイド出しマフラーを装着している。ワイドタイヤとともに右側面のルックスは、とても軽トラに思えない迫力だ。
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一転して室内はノーマルの雰囲気を重視している。井上さんのバンと同じようにダッシュボードへ表皮を追加してモール留めにしたことと、ステアリングホイールをナルディに変更しただけに留めている。というのも、金丸さんはこのポータートラックを毎日のアシにしているのだとか!
毎日乗る実用車だから、あまり派手にすると疲れてしまうのだろう。けれど、それがクルマの健康状態には良いそうで、ほぼ3年間乗り続けているが深刻な故障とは無縁だとか。古いクルマだからといってガレージの肥やしにしてしまうと、意外にトラブルが出るもの。やはりクルマは乗ってナンボなのだ。