マツダの中核モデルであるMAZDA3とCX-30。ともに世界で売られているグローバルモデルだ。マツダの「4」番バッターは、言わずと知れたCX-5だが、MAZDA3とCX-30も重要なモデルだ。果たして、MAZDA3とCX-30はどちらがどこで売れているのだろうか?
MAZDA3とCX-30は世界でどう売れているか?
MAZDA3とCX-30は、エンジン横置きのCセグHB/セダン/クロスオーバーモデルだ。HBとセダンがMAZDA3、クロスオーバーがCX-30ということになる。
2021年3月のグローバル販売で見ると
CX-30:2万4441台
MAZDA3:2万3289台
で、ややCX-30の方が多く売れている。
2020年4月〜21年3月のグローバル販売では
CX-30:24万3137台
MAZDA3:19万2636台
となっている。こちらもCX-30の方が多い。
MAZDA3とCX-30を野球チームでなぞらえて「3番バッター」と呼んだが、実質は
2番:MAZDA3
3番:CX-30
と言ったところだろうか?
では、不動の4番バッターであるCX-5はどうか?
21年3月のグローバル販売
CX-5:4万464台
20年4月〜21年3月は
CX-5:37万4502台
となっている。やはり4番は偉大だ。
では、各市場の動向を見てみよう。
まずは日本だ。
日本では、クロスオーバーのCX-30がMAZDA3をやや上回って売れている。とはいえ、そう大差を付けられているわけではない。
Cセグハッチバックが「王道」であるヨーロッパでは、MAZDA3の圧勝だ。MAZDA3が四半期の最終月(3/6/9/12月)の販売台数が多いことがわかる。
2019年12月から販売データがあるCX-30(これまでなかったブランニューモデルとして登場)がMAZDA3とほぼ拮抗したセールスをマークしている。20年後半からはCX-30の好調ぶりが際立っている。
日本市場ではどのモデルが売れているか?
MAZDA3のボディタイプ比率ではFB(ファストバック)が72%、セダンが28%だ。セダン人気が高くない国内市場としては、なかなかセダンが健闘しているといえる(データは2020年4月〜21年4月のもの。以下同様)。
SKYACTIV-G1.5:40%
SKYACTIV-G2.0:38%
SKYACTIV-D1.8:17%
SKYACTIV-X:5%
となっている。
注目のXは、5%にとどまっている。もっともシェアが高いのは1.5ℓ直4ガソリンエンジンのSKYACTIV-G1.5である。
2020年5月にはセダンでもG1.5が選べるようになっている。上質なベーシックカーとしての素養が高いのが人気の秘密だ。
CX-30国内パワートレーン比率
SKYACTIV-G2.0:67%
SKYACTIV-D1.8:31%
SKYACTIV-X:2%
となっている。車重がMAZDA3より重いCX-30には、G1.5の設定はない。多くのユーザーがG2.0を選んでいるが、クロスオーバーモデルらしくディーゼルエンジン比率も31%とかなり高い。一方で、SKYACTIV-Xエンジン比率は2%と低い。CX-30のSKYACTIV-X搭載モデルは、「レア」ということになる。
MAZDA3のMT比率が8%なのに対して、CX-30は3%。SKYACTIV-X比率を見ても、「よりマニアックなMAZDA3」と「人気のクロスオーバーで選んだCX-30」という図式が浮かび上がる。
ともに人気なのは、まさにマツダのイメージカラーである「ソウルレッドクリスタルメタリック」でともに22%だ。新色のマシーングレープレミアムメタリック、ポリメタルグレーメタリックも人気を集めている。
したがって、
もっとも人気の組み合わせは
MAZDA3:SKYACTIV-G1.5搭載のFB、トランスミッションはAT、ボディカラーはソウルレッドクリスタルメタリック、FFモデルということになる。
CX-30:SKYACTIV-G2.0搭載、トランスミッションはAT、ボディカラーはソウルレッドクリスタルメタリック、FFモデルということになる。