間もなく、新型が登場(すでに新型はワールドプレミアされている)するホンダ・ヴェゼル。2013年に発表されたのが、現行(初代)モデル。競争の激しいコンパクトSUVカテゴリの雄としてヒットモデルとなったわけだが、新型に切り替わる直前のいま、「初代ヴェゼルは成功したのか?」について考えてみよう。
ホンダ・ヴェゼルは2013年に3代目フィットをベースに開発されたコンパクトSUVだ。手頃なサイズとスタイル、ハイブリッド/ターボ/自然吸気ガソリンという多彩なパワートレーンと相まって人気を集めてきた。8年間にわたって売れ続けたわけだ。
国内では「ヴェゼル」。モデル名の由来は、英語で「カットした宝石の小さな面」を表す「Bezel」と、クルマを意味する「Vehicle」を掛けあわせた造語からきている。角度によって表情を変える宝石のように「多面的な魅力と価値を持つクルマ」という想いを込めた、とホンダは説明する。
海外ではHR-Vの名前で販売されている。
では、このヴェゼルの販売台数を見ていこう。
発売は2013年12月。この年の販売台数は2207台である。
2014年:9万6029台
2015年:7万1021台
2016年:7万3889台
2017年:6万4332台
2018年:5万9619台
2019年:5万5886台
2020年:3万2931台
という推移である。グラフにするとこうなる。2020年はコロナ禍の影響で落ち込んでしまったが、なだらかな右肩下がりで、人気が底堅いことがわかる。
では、これにライバル、トヨタC-HRの販売台数を重ねてみよう。
スタイリッシュなコンパクトSUVとして2016年12月に発売になったC-HR。いきなりの大ヒットとなって、翌17年には11万7299台を売り上げた。
さらに、これにマツダCX-3の販売台数も載せてみよう。
こうしてみると、ヴェゼルは(特別な状況だった2020年を除けば)安定してうれていることがわかる。ピーク時と2019年の販売台数を比較すると
ヴェゼル:2014年:2019年 58.2%
C-HR:2017年:2019年 47.5%
となる(CX-3は、2015年:2019年 32.9%)
やや奇抜なデザインのC-HRの販売が失速気味なのに対して、オーソドックスなヴェゼルは安定して売れ続けた、と言える。
アメリカではどうだったか?
では、今度は世界に目を向けて見よう。アメリカ市場ではどうだったか?
2015年から2020年6年間の販売台数の推移をグラフにしてみた。
では、今度は世界に目を向けて見よう。アメリカ市場ではどうだったか?
2015年から2020年6年間の販売台数の推移をグラフにしてみた。
ヴェゼル(HR-V)vs C-HRはヴェゼルの圧勝だ。もともと北米ではコンパクトサイズのSUVのニーズはさほど大きくない。ホンダならHR-VよりもCR-V、トヨタならC-HRよりもRAV4の方が圧倒的に売れる。だとしても、ヴェゼルの人気は高いことがわかる。
ところが、そのHR-Vよりも北米で売れているジャパニーズSUVがある。
SUBARU CROSSTREKである。日本名はスバルXVである。日本の販売台数データでは「インプレッサ」に含まれてしまってXVだけのデータはすぐにわからなかったのだが、北米でのスバル人気の高さには驚かされる。
ちなみに、2020年の北米SUV販売台数ランキングでいえば、スバルXV(CROSSTREK)も17位にとどまる。
せっかくなので、TOP20を紹介すると
北米SUV販売台数ランキング2020 20→11位
20位 シボレー・トラックス:10万6299台
19位 ジープ・コンパス:10万7969台
18位 フォード・エッヂ:10万8886台
17位 スバル・クロストレック:11万9716台
16位 ヒュンダイ・タスカン:12万3657台
15位 マツダCX-5:12万3727台
14位 ホンダ・パイロット:12万3813台
13位 シボレー・トラバース:12万5546台
12位 トヨタ4ランナー:12万9052台
11位 ジープ・チェロキー:13万5855台
となる。
北米SUV販売台数ランキング2020 10→1位
10位 スバル・フォレスター:17万6996台
9位 フォード・エスケープ:17万8496台
8位 ジープ・ラングラー:20万1311台
7位 ジープ・グランドチェロキー:20万9786台
6位 トヨタ・ハイランダー:21万2276台
5位 フォード・エクスプローラー:22万6217台
4位 日産ローグ:22万7935台
3位 シボレー・エクイノックス:27万994台
2位 ホンダCR-V 33万3502台
1位 トヨタRAV4:43万387台
である。
XVの兄貴分のフォレスターが10位
HR-Vの兄貴分のCR-Vが2位
C-HRの兄貴分のRAV4が1位
というわけで、日本のSUVは大健闘している。