3月30日、ボルボ・カーズは4月1日から全世界のすべての工場およびオフィスで働く4万人以上の従業員を対象に、性別を問わず対応する新有給育児休暇制度を導入すると発表した。
勤続1年以上の全従業員に、基本給の80%で合計24週間の育児休暇を
この新しい制度は「家族の絆」と呼ぶグローバル・ポリシーに基づくもので、勤続1年以上の全従業員に、基本給の80%で合計24週間の休暇が基本的に与えられる。このポリシーはどちらの親にも適用され、休暇は子どもが生まれてからの3年間にいつでも取得することができる。
このグローバル・ポリシーは、世界中の多くの既存の制度より包括的でかつ支援的なものであり、養子縁組、里親、代理出産を含む法的に登録されたすべての親、および同性カップルの出産していない親を対象としている。国によっては、新しい親に有給休暇を提供していなかったり、特定のグループの親を排除していたりするが、後者はとくに父親にあてはまる。
新しい育児休暇のパイロット制度の結果を調査したところ、従業員は性別に関係なく、包括的で、個人のニーズに適応できるこのポリシーを高く評価していることがわかった。また、研究の結果、より多くの従業員に育児休暇の取得を奨励し、両親のための育児休暇を新たな「規範」とするための重要な洞察が得られている。
育児休暇の取得を阻む要因としては、育児休暇がチームに与える影響への懸念、長期的なキャリアの可能性への不安、職場や家庭で父親に期待されることについての文化的な考え方などが挙げられる。
ボルボ・カーズは育児休暇の取得を促進するために、育児休暇制度をより効果的に伝えることに注力。同社は24週間の育児休暇を事前に選択可能なオプションとして提示することで、「デフォルト効果」を生み出すことを目指す。不確実性がある場合、人は否定的な結果を予測する傾向があるため、「最大24週間」のような曖昧な表現は避けている。
ボルボ・カーズは、このような手法を用いて、混乱や文化的障壁を取り除き、両親に確実性を提供することを目指している。そして同社は、男女間の格差是正に向けた取り組みをさらに強化するために、参加者の成果を長期的に共有し、他の企業がその進捗状況から学ぶことができるようにしていく。