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新型ホンダCB125Rと欧州KTM125DUKE。DOHC4バルブ125ccの15馬力のライバル比較


ホンダCB125RがエンジンがDOHC化されて15馬力となり、足周りも高性能化されるなどモデルチェンジ。ここではオーストリアのKTMが発売するライバル車の125スポーツモデル・125DUKE(デューク)との外観やスペックを比較検証。水冷4ストローク単気筒DOHC 4バルブ15馬力エンジン、前後17インチホイールを採用した2モデルを比べてみた。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

両車とも水冷4ストロークDOHC単気筒124ccエンジン搭載。最高出力は15馬力

ホンダCB125Rの前後ホイールは大径の17インチ。写真はマットガンパウダーブラックメタリック。

2011年に登場以来、国内でも人気のKTM125DUKE。前後ホイールは大径の17インチ。

ホンダCB125Rのヘッドライト。薄型・丸型LEDを採用。
KTM125DUKEの個性的なフロントマスク。ヘッドライトはLED。
CB125Rは中央のクランプ部をΦ28.6mm、両端をΦ22.2mmとし、ダイレクトな操作感を可能にしたテーパーハンドルを装備。ガソリンタンク容量は10L。
125DUKEはCB125Rと同様、多彩な機能で伝えるフルデジタル液晶メーターを採用。ハンドルはバータイプ。ガソリンタンク容量は13.4L。

今、日本の原付二種&ヨーロッパのA1免許=バイクビギナーをメインターゲットにした125ccの15馬力スポーツが熱い!

 日本の二輪免許は、


・原付免許……50ccまで


・普通自動二輪小型限定免許……51cc~125ccまで


・普通自動二輪免許……126cc~400ccまで


・大型自動二輪免許……排気量制限なし




 に分割(普通自動二輪免許と大型自動二輪免許にはAT限定もあり)。なお、ヨーロッパのEU諸国では、




・AM免許……50ccまで。最高速度45Km/h以下


・A1免許……51cc~125ccまで。最高出力15馬力以下


・A2免許……排気量制限なし。最高出力47.6馬力以下


・A免許……排気量、最高出力ともに制限なし




 に分割。ヨーロッパの一部の国では、日本の原付免許と同様、普通自動車免許を取得していれば、AM免許やA1免許がオマケで付帯。そのため、51cc~125cc&最高出力15馬力以下のモデルは、モーターサイクルの登竜門として位置付けられている(50ccまで&最高速度45Km/h以下のモデルは、自転車の延長上と位置付けられたモペッドが定番)。

●備考:アメリカのバイク免許


・M2免許......〜150ccまで


・M1免許......排気量制限なし

 ヨーロッパおいて51cc~125ccは、庶民の足としてスクーター。東南アジアでは横型エンジン搭載のホンダ スーパーカブの人気が高い。しかし昨今、若者やしばらくバイクから遠ざかっていた中高年齢層を中心に、125cc・15馬力・前後17インチ大径ホイールを装備したスポーツミッションモデルの人気が急上昇し、競争が激化。




 海外向けのカワサキNinja125や、カワサキZ125(ともに水冷4スト単気筒DOHC 4バルブ125ccの15馬力エンジン/前後17インチホイール)、ヤマハMT-125(水冷4スト単気筒SOHC 4バルブ125ccの15馬力エンジン/前後17インチホイール)を始め、世界各国のメーカーが凌ぎを削り、熱きバトルを繰り広げている。

 国内ではフルカウル付きモデルのスズキGSX-R125 ABSと、ネイキッドモデルのGSX-S125 ABS(ともに水冷4スト単気筒DOHC 4バルブ15馬力エンジン/前後17インチホイールを搭載)が発売中。高回転型の攻撃的なエンジン特性や、スポーティな足周りにより、スポーツ志向のユーザーに人気を呼んでいる。

新しいCB125RはSOHC 2バルブからDOHC 4バルブへ!最高出力は13馬力→15馬力にアップ

マットガンパウダーブラックメタリック

 NEWモデルのCB125Rは、エンジンをSOHC2バルブ単気筒からDOHC4バルブ単気筒に変更し、中高回転域の吸排気効率を向上。パワーは13馬力から15馬力にアップしている。




・最高出力:13ps/10,000→15ps/10,000


・最大トルク:1.0kgf・m/8,000rpm→1.2kgf・m/8,000rpm




 また、DOHC4バルブ化に伴い、ボア経×ストロークと圧縮比は




・Φ58.0mm×47.2mm→Φ57.3×48.4mm


・11.0→11.3




 に変更。ロングストローク率を若干高め、圧縮比をアップしているのがポイントだ。




 CB125Rは、兄貴分のCB650RやCB1000R、カワサキNinja ZX-6RやカワサキNinja ZX-25Rなどに標準装備されている、SHOWA製SFF-BP(セパレート・ファンクション・フォーク・ビックピストンタイプ)倒立型フロントフォーク(大口径のΦ41mm)を125ccクラスとしては初採用。優れた路面追従性と、軽量化を両立した。




 さらに、安定した減衰力を発揮する分離加圧式リヤサスペンション、高張力鋼板製のスイングアームを組み合わせることで、乗り心地と軽快感のあるハンドリングを実現。

日本でも人気のKTM125DUKE(デューク)は、欧州のA1免許スポーツモデル(125cc以下で15馬力以下)の先駆者

スチール製トレリスフレームは、250や390と共通で、125ccながら大柄な車体。

 2011年に登場したオーストリアのKTM125DUKE(デューク)は、2021年モデルでは250や390もラインナップされている、日本でも人気の高いDUKEシリーズの最小排気量版。オシャレなパウダーコート塗装のスチール製トレリスフレームは、125・250・390の全クラス共通。そのため、KTM125DUKEは125ccクラスとは思えない大柄なボディに仕上がっている。




 アグレッシブな水冷4スト単気筒DOHC 4バルブ124.7ccエンジンを搭載した125DUKEは、欧州においてエントリーユーザーには認知の低かったKTMというメーカーの知名度を高めたモデル。同時にA1免許スポーツモデル(125cc以下で15馬力以下)というカテゴリーを、メジャーな存在に導いた先駆者的存在でもある。




 125DUKEはインドで生産。超高性能ながら、生産コストを下げて入手しやすい価格に設定しているのがポイントだ。2021年4月現在、国内では「KTMジャパン」が正規輸入代理店をとして販売し、充実したアフターサービスを提供している。

●KTMジャパン


http://www.ktm-japan.co.jp/

価格はCBが6万6000円安!ホンダCB125RとKTM125DUKEを徹底比較

CB125RのABSには、前後輪のロックを回避して走りに安心感をもたらし、急制動時の後輪浮き上がりを効果的に抑制する「IMU(車体姿勢推定システム)」も導入。

125DUKEには超軽量・高性能なWP製APEX 倒立型(インナー径Φ43mm)&WP製リヤショックを装備。

ホンダCB125R(写真は前モデル)。新型のシート高は815mm。
KTM125DUKE(写真は前モデル)。新型のシート高は830mm。

【ホンダCB125R】


全長×全幅×全高:2,040mm×820mm×1,055mm


ホイールベース:1,345mm


最低地上高:140mm


シート高:815mm


重量:130kg


フレーム:スチール製ダイヤモンド


フロントサスペンション:SHOWA製SFF-BP 倒立型(インナー径Φ41mm)


リヤサスペンション:モノショック型


フロントブレーキ:Φ296mmウェーブディスクローター+ラジアルマウント式4POTブレーキキャリパー


リヤブレーキ:Φ220mmウェーブディスクローター+片押し1POTブレーキキャリパー


タイヤ:前110/70R17M/C 54H 後150/60R17M/C 66H(前後チューブレス/ラジアル)


価格:47万3000円(消費税10%を含む)




【KTM125DUKE】


全長×全幅×全高:-


ホイールベース:1,357mm


最低地上高:175 mm


シート高:830 mm


重量:139 kg


フレーム:スチール製トレリスフレーム(パウダーコート塗装)


フロントサスペンション:WP製APEX 倒立型(インナー径Φ43mm)


リヤサスペンション:WP製モノショック型


フロントブレーキ:Φ300mmディスクローター+BYBRE製ラジアルマウント式4POTブレーキキャリパー


リヤブレーキ:Φ230mmウェーブディスクローター+片押し1POTブレーキキャリパー


タイヤ:前110/70ZR17 後150/60ZR17(前後チューブレス/ラジアル)


価格:53万9000円(消費税10%を含む)




 CB125Rの車体は、250クラス並の大きなボディが特徴。250・390と共通のスチール製トレリスフレームを採用したDUKE125も、CB125Rに負けないボディサイズ。




 CB125Rは、優れた靱性の高張力鋼スチールフレームを採用し、車重を徹底的に軽量化。ピボットプレート部は、メインフレーム部から独立させることで、後輪荷重を軽減し、軽量化と高い運動性能を両立。また、メインパイプとヘッドパイプの剛性の最適化により、軽快感のあるハンドリングを実現している。




 一方、125DUKEは見た目にもこだわった、美しいパウダーコート塗装のスチール製トレリスフレーム。同フレームは、125・250・390の全クラス共通としているため、125DUKEの車体剛性に一切不安はなし。




 両車とも前後ホイールは、大径の17インチ。ホイールベースはDUKE125が1,357mmで、CB125Rよりも12mmロング。重量もDHKE125が9kg重く、機動性はCB125Rがやや上だと予測。




 CB125Rは、兄貴分のCB650RやCB1000R、カワサキNinja ZX-6RやカワサキNinja ZX-25Rなどに標準装備されSHOWA製SFF-BP 倒立型フロントフォーク(インナー径Φ41mmで、Ninja ZX-25Rよりも太いのが特徴)&高剛性としなやかさを兼ね備えた高張力鋼板製スイングアームをチョイス。




 また、125DUKEはWP製APEX 倒立型(インナー径Φ43mm)&WP製リヤショックを装備するなど、前後サスペンションは両車とも大型スーパースポーツ並の強靭で豪華な仕様としている。




 ブレーキは両車とも、前後2チャンネルABSを装備。なお、CB125RのABSには、前後輪のロックを回避して走りに安心感をもたらし、急制動時の後輪浮き上がりを効果的に抑制する「IMU(車体姿勢推定システム)」も導入。このシステムは、前後輪に装備した車輪速センサーからの情報をもとに、走行中、自己診断機能付ECUがタイヤのロックを監視。ブレーキのかけ過ぎや、急な路面変化によるタイヤのロック傾向を検知するとタイヤのロックを回避し、車体コントロールをサポートする画期的なものだ。




 前後タイヤは両車とも、前110mm幅、後150mm幅のワイドサイズがチョイスされ、サスペンションと同様、125ccクラスとは思えない迫力ある足元が特徴。

CB125RはNinja ZX-25Rも採用の、SHOWA製SFF-BP 倒立型フロントフォークを装備。インナー径はNinja ZX-25Rよりも太いΦ41mm。
超軽量・高性能な125DUKEのWP製APEX 倒立型フロントフォーク。インナー径はΦ43mm。
CB125Rのフロントブレーキは、Φ296mmウェーブディスクローターに、ラジアルマウント式4POTブレーキキャリパーを組み合わせ。
125DUKEのフロントブレーキは、Φ300mmディスクローターに、BYBRE製ラジアルマウント式4POTブレーキキャリパーを組み合わせ。
CB125Rのスイングアームは、高剛性としなやかさを兼ね備えた高張力鋼板製。リヤサスペンションは、ピストンバルブの大径化を図る分離加圧式を採用し、軽量化と優れた応答性に貢献。
125DUKEのリヤショックは150mmのプログレッシブスプリングを装備したWP製。プリロード調整も可能。
CB125R&DUKE125ともに、前後2チャンネルABSを採用。CB125Rには「IMU(車体姿勢推定システム)」も導入済み。(写真はCB125R)
DUKE125は軽量で剛性の高い、鋳造合金のキャストホイールを装備。サイズは前後ともCB125Rと同じ17インチ。
ホンダCB125Rの水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブ124.9ccエンジン。
KTM125DUKEの水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブ124.7ccエンジン。

【ホンダCB125R】


エンジン:水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブ


総排気量:124.9cc


内径×行程:Φ57.3mm x 48.4mm


圧縮比:11.3


最高出力:15ps/10,000rpm


最大トルク:12N・m/8,000rpm


ミッション:6速


燃料消費率(WMTCモード値):45.5km/L


燃料タンク容量:10L


スターター:セルスターター




【KTM125DUKE】


エンジン:水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブ


総排気量:124.7cc


内径×行程:Φ58.0mm x 47.2mm


圧縮比:12.8


最高出力:15ps/10,000rpm


最大トルク:12N・m/7,500rpm


ミッション:6速


燃料消費率:2.42L/100km


燃料タンク容量:13.4L


スターター:セルスターター




 両車とも水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブエンジンを搭載し、最高出力&最大トルクは同じ。内径×行程(ボア径×ストローク長)はCB125RがΦ57.3mm x 48.4mm、125DUKEがΦ58.0mm x 47.2mm。ショートストローク率は125DUKEがやや高く、圧縮比も1.5高くてスポーティ。




 125DUKEよりもロングストローク率を高め、圧縮比を抑えたCB125Rは、125DUKEに比べ、街中で多用する中高回転域での扱いやすさを吟味し、低燃費を意識した仕様といえる。




 CB125Rは前後に長いエアクリーナーを採用することで、吸気の流れをストレート化し、吸気抵抗を低減。スロットル操作に呼応する、リニアなレスポンスを獲得。




 125DUKEのシリンダーヘッドに組み込まれたロッカーアームは、超硬カーボンコーティング処理されて耐久性を向上。

CB125Rのエンジン部分。前モデルに比べ、ロングストローク率を向上。
125DUKEのシリンダーヘッド。ロッカーアームは超硬カーボンコーティング処理済み。
CB125Rのマフラー。軽快な走りを追い求め、2室構造のダウンショートタイプを採用。車体中心下部にコンパクトに収めることでマスの集中化に寄与し、軽快な走りを提供。
125DUKEのエキゾートシステムは、サイドマフラー、リンクパイプ&サイレンサーで構成。3チャンバーサイレンサーはバイクの重心近くに配置され、走行バランスと操作性をアップ。

前モデルのホンダCB125Rをチェック

まとめ:ホンダCB125RとKTM125DUKE、どちらを選ぶ?

 CB125Rと125DUKEは、125ccスポーツの中でも、飛び抜けたパフォーマンス性能とゴージャスな機能を備えたモデル。




 価格はCB125Rが47万3000円、125DUKEが53万9000円(ともに消費税10%を含む)で、価格差は6万6000円。超豪華な装備を揃えながら、125DUKEよりも6万6000円安の価格に設定したCB125Rは、かなりお買い得であることは間違いない。




 ちなみに国内では、スズキがGSX-R125 ABSを41万5800円、GSX-S125 ABSを38万2800円(ともに消費税10%を含む)でリリース中。両車もスズキならではの超バーゲンプライスといえる、超お買い得なモデルだ。




 125DUKEは、ヨーロッパ車ならではの近未来的で個性的なフォルムが特徴。一方、CB125Rは欧州テイストを加えつつ、CBシリーズの血統を引き継いだバイクらしいスタイリングがポイント。好みや予算に合わせ、ベストな1台を選ぶべし!

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