経済産業省・国土交通省は、国内で初めて、遠隔監視・操作型の自動運行装置(レベル3)として認可を受けた自動運行装置:ZEN drive Pilotについて、本格運行を3月25日より開始する。
1. 経緯・概要
経済産業省・国土交通省では、「成長フォローアップ」に掲げられている「2020年中に限定地域での無人自動運転移動サービスの実現」に向け、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)に委託し、福井県永平寺町において遠隔型自動運転システムによる自動運転車の技術・サービスの実証実験を進めてきた。
この実証実験の成果を生かし、昨年12月22日に、福井県永平寺町が、ZENコネクトに業務委託し、遠隔にいる1名の運転手が3台の自動運転車を常時監視・操作する形(レベル2)での自動運転移動サービスが実現したところだ。
今年に入って、産総研において、センサー類を改修・追加するなど車両の高度化を進め、当該自動運転車に搭載する遠隔型自動運転システムについて、遠隔監視・操作型の自動運行装置(レベル3)として、国土交通省中部運輸局に申請したところ、3月5日に国内で初めて認可された。その後、公道走行のための準備を経て、今回、永平寺町にて当該自動運転車を用いた本格運行を3月25日より開始する。今回レベル3にアップグレードすることで、3台の自動運転車が作動継続困難な場合を除き、遠隔にいる運転手は常時監視しなくてよくなり、運転の負担が軽減されることになる。それに伴い、ZENコネクトにおいて安全確保のため車内に乗車していた保安要員を外した運用とすることにした。
今後は、成長戦略会議「実行計画」に掲げられている「2020年中に限定地域での無人自動運転移動サービスの実現」に向け、引き続き、技術開発・実証を実施していく。
2. 今回認可を受けた自動運行装置(名称:ZEN drive Pilot)
道路に敷設した電磁誘導線上を追従しながら周辺の交通状況を監視するとともに、運転者に代わって運転操作を行い、最大速度12km/hで自動走行する装置。
※ 当該装置は、国土交通省が付与した特定条件(走行環境条件)の範囲内で作動が可能となり、作動後、走行環境条件を満たさなくなる場合や故障発生時等においては、警報を発し運行を停止する。