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トヨタ、いすゞ、日野が小型トラックの電動化や自動運転で協業。トヨタといすゞの資本提携も発表


3月24日、トヨタ自動車と日野自動車、いすゞ自動車は商用事業において新たな協業に取り組むことに合意。主に小型トラックの領域において、EV・FCV、自動運転技術、電子プラットフォームの開発を共同で行うこととなった。

いすゞと日野が培った商用事業基盤にトヨタのCASE技術を組み合わせる

日本の物流において、トラック輸送はなんと9割を占めている。また、自動車の全保有台数のうち商用車は2割にとどまるが、CO2排出量は約半分に達するという。乗用車だけではなく商用車の分野でもCASEやカーボンフリーは大きな課題として立ちはだかっているのだ。




そんな商業分野において、トヨタと日野、いすゞは共同で、小型トラックのEV(電気自動車)・FCV(燃料電池車)の開発に取り組む。3社の協業により車両コストの低減を実現する。また、自動運転技術や電子プラットフォームに関しても強力して開発を進める。




協業を推進するため、トヨタといすゞは2018年に解消していた資本提携を再度行う。トヨタはいすゞに対して428億円出資し、いすゞも同額のトヨタの株式を取得予定だ。




また、3社の共同出資による新会社「Commercial Japan Partnership Technologies(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)」を4月1日に立ち上げる。新会社では、商用車におけるCASE技術・サービスの企画を行う。

トヨタの豊田章男社長、日野の下義生社長、いすゞの片山正則社長は共同で記者会見に臨んだ。




会見でまず、3社が手を組む経緯と意義について、豊田社長(トヨタ)が語った。


「同じグループ企業でもダイハツとは乗用車という共通点があり、クルマ作りで相乗効果を生みやすい面があった。これに対して商用車は日野独自の事業で、乗用車を基本とするトヨタのクルマ作りとの関連性を見出すのが難しかった。が、CASE革命で状況は一気に変わった。特に電動車はインフラとセットでないと普及が難しいということをFCVのミライの導入で実感した。また、CASE技術を使ってもらうにはどうすればいいかというユーザー目線でものを考えるようになった際、日野との関連性が見えてきた。




もう一つユーザー目線に立てば、荷主の方々は日野といすゞ、両方のトラックを使っている。日野といすゞが一緒にやれば、日本の商用車の8割のお客様と向き合え、その現実を知ることができる。そこにトヨタのCASE技術を使えば、多くのお客の困りごとを解決できる。そう考えていすゞの片山社長とも相談した」

下社長(日野)は、物流業界が抱える課題について、次のように語った。


「現在、日本の物流事業者は6万社だが、物流を取り巻く環境は厳しい。課題はドライバー不足、輸送の効率、カーボンニュートラル。輸送において最優先されるのは納入時間と場所指定で、荷量は季節や時間帯によっても変わため、効率的な輸送が行いにくい。帰りは荷物がない場合もあり、積載効率は50パーセントを下回っている。そしてカーボンニュートラルにおいては、仕事の道具であるトラックはコストを抑えつつ、輸送に使い勝手の良い電動車の普及が重要となる。




これらの課題の解決のためには、個社を超えて強調する領域が大変多い。個社を超えたコネクテッドの連携により待ち時間を減らしたり、輸送効率の向上が可能となる。また、課題解決が進めば輸送の仕事に魅力を感じ、ドライバーをはじめ物流の担い手が増えることも期待できる」

いすゞと日野というライバル同士が手を結ぶ点には驚きだが、片山社長(いすゞ)は呉越同舟に踏み込んだ背景を語った。


「日野とは最大のライバルで世界の中で戦っている。それはこれからも変わらないが、その根底にはもっと物流をよくしたい、社会をよくしたいという両社共通の思いがある。トヨタは乗用車メーカーだが、社会をもっと良くしたい、日本をよくしたいという思いに違いはない。ものづくりで言えばTPS、電動化で言えばHV、FCVなどさまざまなイノベーションを起こしてきた。




商用車をもっとも理解する日野と、小型商用車にも活用できる可能性が高い技術、実行力を持つトヨタ、3社で力を合わせればCASEの荒波を乗り越えるイノベーションを起こし、お客様にもっと役に立てる小型トラックを提供できると思った」




今後、トヨタ・日野・いすゞは、協業内容を深めるとともに、志を同じくするその他のパートナーとの連携についても、オープンに検討していくという。

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