世界一のロングストローク設計であるホンダS07B。技術者によれば組み合わせる変速機(CVT)も非常にユニークだという。ではわずか数年で代替わりを余儀なくされたオリジナル・S07A型とはどのようなエンジンだったのか。
ホンダが新しい軽自動車のNシリーズのパワートレーンとして新規に開発、2011年に登場したエンジンがS07Aだ。それまでのE07/P07型がショートストロークだったのに対してS07Aはボアストローク比1.07のロングストローク型。またE07/P07がSOHCだったのに対してS07はDOHC化している。
吸気側にはVTCを組み込み、ロングインテーク・マニフォールド、HLA付きローラーロッカーアーム、低張力ピストンリング&ピストンパターンコーティングなど、軽量コンパクト・低フリクションのエンジンに仕上げている。安全対策までエンジンに盛り込んだのも特徴で、衝突時にはコンプレッサーなどがエンジンの隙間に滑り込みインテーク・マニフォールドは潰れる構造で衝撃吸収ストロークを創出。衝突後のエンジン前後長は78mmも短くなる。
■ A07A
シリンダー配列 直列3気筒
排気量 658
内径×行程 64.0×68.2mm
圧縮比 11.2
最高出力 43kW/7300rpm
最大トルク 65Nm/3500rpm
給気方式 自然吸気
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 PFI
VVT/VVL In/×
■ A07A T/C
シリンダー配列 直列3気筒
排気量 658
内径×行程 64.0×68.2mm
圧縮比 9.2
最高出力 47kW/6000rpm
最大トルク 104Nm/2600rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 PFI
VVT/VVL In/×