静岡・三保レトロカーフェスティバル2021&いすゞ+スバルミーティング会場の模様をレポート。主催クラブがいすゞジェミニを対象としていることから、いすゞ車が数多く集まった。今回は最も多い台数を記録したいすゞの名車、ベレットを紹介しよう。
REPORT&PHOTO●増田満(MASUDA Mitsuru)
人気のGTRをはじめ多くのいすゞベレットが参加
1600GTが2灯式になった1966年はベレットの変革期であり、GTのマイナーチェンジが9月に、同年11月にはセダンBと1500スポーツがラインナップに加わる。セダンBは楕円の異形2灯ヘッドライトを備える姿が印象的だったが、今回のミーティングには残念ながら参加なし。1500スポーツは1500セダンのエンジンにツインキャブレターと前輪ディスクブレーキを装備するモデル。2ドアと4ドアが存在した。
この日は1968年のマイナーチェンジで排気量を1600とした2ドアセダンの1600スポーツが参加していた。これまた非常に残存率の低いグレードだ。
日本初のGTとなったベレット1600GTはツインキャブレターや前輪ディスクブレーキといった装備を持ち、レースでも大活躍。この1600GT人気に後押しされたモデルとして、意欲的なモデルが1966年に追加発売される。それが写真の1600GTファストバックで、クーペのルーフを伸ばしてテールエンドまでなだらかなラインとしている。
実にこのボディのため生産は手作りのハンドメイドとされ、新車価格は99.2万円。クラウンやセドリックの低グレードより高価だったこともあり、総生産台数は400台にも満たない希少車。それなのに、この日は3台のファストバックが参加していた。
レースで大活躍したベレット1600GTだが、2リッターの格上となるスカイラインGTがその前に立ち塞がる。さらにはトヨタからDOHCエンジンを搭載するトヨタ1600GTが発売され、主導権争いは熾烈を極めた。この状況を打破したのが1969年2月発売のスカイラインGT-R。2リッターDOHCエンジンをひっさげ、レールで無敵を誇るようになる。
遅れて1969年10月、ベレットにもDOHCエンジンがラインナップに加わった。それがベレット1600GTRで、エンジンは117クーペに採用された1.6リッターDOHC。今でも高い人気を誇るベレットの最終進化形で、数多くの参加車が見られた。
ジェミニ&ピアッツァ、そして今回のベレットと紹介してきたいすゞ車だが、まだまだ多くの参加があった。次回も引き続き紹介していきたい。