最近、「新車価格が高い」「高級車なんて夢のまた夢」と家族や友人に言われる機会が多い。たしかに最近のクルマは、最新の運転支援技術など装備を充実させているため新車価格が以前と比べて上昇した。ただ中古の世界はすこし違う。現行型の高級車でもマイナーチェンジする前の前期型は、新車価格の半額にちかい価格で手に入れることができる。そこで今回の【モーターファンおすすめ中古車】では、300万円で現行型が狙えるFR/4WDプレミアムセダン5選を紹介する。
たしかに500万円以上するプレミアムセダンは、そう簡単に手が出ないという方も多いだろう。ただ、300万円以内といったら世界は変わる。今では新車の日産ノートやトヨタ・ヤリスハイブリッドの上位グレードにオプションをつければ300万円を超えてしまう。そんななか中古では、現行型の高級車でもマイナーチェンジ前の前期型は、新車価格の半額に近い価格で手に入れることができる。
そこで今回の【モーターファンおすすめ中古車】では、300万円で現行型が狙えるFR/4WDプレミアムセダン5選を紹介する。
ホンダ・レジェンド NSXにも採用されている3モーターハイブリッドシステムを搭載したハイパフォーマンスセダン
5代目となる現行レジェンドは、2015年に発売。画期的なハイブリッド技術を駆使し、かつてないドライビングプレジャーと上質な乗り心地、優れた燃費性能を兼ね備えたモデルだ。300万円で狙えるのは前期モデルとなる。
パワートレーンは2代目NSXにも採用されている3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用。車体前部にV型6気筒3.5ℓ直噴i-VTECエンジンと、高性能モーターを内蔵した7速DCTを、車体後部には、2基のモーターを内蔵したTMU(ツインモーターユニット)を搭載。エンジンと合計3つのモーターを最適に制御するコントロールユニットと、高出力リチウムイオンバッテリーを組み合わせたシステムだ。エンジンと、3つのモーターを最適に制御することで、前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動の3つの駆動方式と、2基のモーターのみで走行するEVドライブ、エンジンによる前輪駆動と車体後部の2基のモーターで走行するハイブリッドドライブ、エンジンのみで走行するエンジンドライブの3つの走行モードのなかから、ドライバーの要求や走行状況に応じて、最適な駆動方式と最もエネルギー効率の良い走行モードを自動的に選択。走り味は高級サルーンというよりスポーツセダン。モーターによるベクタリングのおかげで大型セダンとは思えないほどよく曲がる。またNAエンジン+DCTの組み合わせは今では貴重な存在で、吹け上がりが非常に気持ちいい。
前期モデルの平均中古価格は300万円。
たとえば「レジェンド 3.5 HondaSENSING 2015年式、走行5万2000kmで車両本体価格289万円」というようなものがある。
NSXにも通ずるコーナリングが特に気持ちいいスポーツセダンだ。
全長×全幅×全高(㎜)=4995×1890×1480
ホイールベース(㎜)=2850
エンジン:3.5ℓ 水冷V型6気筒SOHC24バルブ+モーター
駆動:フルタイム4WD
エンジン最高出力:314ps(231kW)/6500rpm
エンジン最大トルク:37.8kg・m(371Nm)/4700rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:7DCT
車重(kg):1980
新車価格:680万円
※2015年発売当時のスペック
メルセデス・ベンツ Cクラス スポーツFRセダンの性格を考えるとC250がおすすめ!
現行型(W205)は2014年に日本でデビュー。「アジリティ&インテリジェンス」のコンセプトに基づき、素材選びから設計、製造工程に至るまであらゆる部分に最先端技術を投入することで、大きな進化を遂げたモデルだ。300万円以内で狙えるのは2018年まで販売されていた前期モデルとなる。
AMGモデルを除く標準モデルには、1.6ℓガソリンターボからディーゼルエンジン、プラグインハイブリッドまで幅広いパワートレーンがラインアップされている。そのなかでもおすすめのグレードがC250。搭載される2.0ℓ直4直噴ターボエンジンは、最高出力211ps、最大トルク350Nmを発生。標準グレードの中ではこのC250がもっともスポーティで、アクセルをぐっと踏み込むと低回転からトルクフルに加速しあっという間に法定速度まで駆け上がる。またこのC250にはエアサスペンションも搭載されているため、街乗りでゆったり流して走っても乗り心地は損なわれることなく、重厚な乗り味が楽しめる。スポーツ性能と乗り心地の良さを高次元で両立したメルセデスならではの一台だ。
現行型Cクラス(前期モデル)の平均中古価格は約278万円。
たとえばC250だと「Cクラス C250 2015年式、走行2万5000kmで車両本体価格249万円」というような中古車がある。
ドイツ本国では間もなく新型にバトンタッチするCクラス。そう遠くない将来に日本にも導入されるはず。現行型Cクラスの中古価格の変動にも注目しておきたい。
全長×全幅×全高(㎜)=4715×1810×1430
ホイールベース(㎜)=2840
エンジン:2.0ℓ 直列4気筒DOHCターボ
駆動:FR
最高出力:211ps(155kW)/5500rpm
最大トルク:35.7kg・m(350N・m)/1200~4000rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:7AT
車重(kg):1600
新車価格:644万円
※2014年発売当時のスペック
レクサスIS V6 3.5ℓNAエンジンの重厚感は見事!レクサスで最もスポーティなセダン
現行型レクサスISは2013年に発売されたレクサスのコンパクトスポーツセダンだ。「真の“走る楽しさ”の体現」を開発のキーワードとし、ISのDNAとも言える「気持ちよい走り」と「スポーティなデザイン」を先代から進化させたモデルだ。ライバルはメルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4などで、Dセグメントに属する。300万円以内で狙えるのは2016年まで販売されていた前期型となる。
前期型のエンジンの種類は大きく分けて4種類。ハイブリッド、ターボ、NAエンジンと豊富にラインアップされている。スポーツセダンとしてバランスが良いのは2.0ℓ直噴ターボモデル。最高出力は245ps、最大トルクは350Nmを発生する、軽快な加速が魅力のエンジンだ。FRコンパクトスポーツセダンというISのキャラクターにも非常にあっているバランスが優れたモデルと言える。また、より重厚な走りを楽しみたい方にはV6 3.5ℓNAエンジン(最高出力318ps)がおすすめ。トルクフルで吹け上がりの良いエンジンは自然吸気ならでは。電動化やダウンサイジングターボがトレンドとなっているいまこそ乗っていただきたいモデルだ。
前期型の平均中古価格は約250万円。
たとえば2.0ℓターボモデルだと「IS 200t 2016年式、走行2万1000kmで車両本体価格229万円」というような中古車がある。
レクサスを代表するスタイリッシュFRセダンが250万円で狙えるようになってきたのは朗報だ。
全長×全幅×全高(㎜)=4665×1810×1430
ホイールベース(㎜)=2800
エンジン:2.0ℓ 直列4気筒DOHCICターボ
駆動:FR
最高出力:245ps(180kW)/5800rpm
最大トルク:35.7kg・m(350Nm)/1650~4400rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:8AT
車重(kg):1620
新車価格:454万4000円
※2015年発売当時のスペック
日産スカイライン ハイブリッドの圧倒的な加速が魅力!日産伝統のFRセダン
今回紹介する現行型(13代目)スカイラインは2014年に日本で発売された。歴代の中で最もプレミアムでダイナミックを目指したモデルで、これまでにないレベルのドライビングプレジャーを実現するとともに、その感性に訴えかけるデザイン、先進技術、性能を追求して開発された。今回紹介するのは2017年まで販売されていた前期モデルだ。
前期モデルのパワートレーンは2種類。提携先だったダイムラーより供給された2.0ℓ 直4ターボエンジンと、3.5ℓエンジンと1モーター2クラッチを組み合わせた日産独自のハイブリッドシステム「インテリジェントデュアルクラッチコントロール」が選択できる。おすすめは後者。システム最高出力364psの圧倒的な加速性能が特徴で、さらに290Nmの大トルクを発生するモーターの採用によりEV走行領域が拡大している。そのため高級セダンとは思えない電気自動車のような強烈な加速Gが体感できる。またステアリングの動きを電気信号に置き換えてタイヤを操舵する「ステアリング・バイ・ワイヤ」技術が当時、世界初採用されている。応答遅れのないシャープなハンドリングによる“意のまま"の走りと高い直進安定性による安心感をドライバーに提供するというが、こちらは少し癖があるため購入を検討する際はまずは試乗して確かめることをおすすめする。
前期型の平均中古価格は200万円。
たとえばハイブリッドでも「スカイライン 350GT 2016年式、走行3万2000kmで車両本体価格244万円」というように250万円に収まる。
日産伝統のスポーツセダンをぜひ検討していただきたい。
全長×全幅×全高(㎜)=4790×1820×1440
ホイールベース(㎜)=2850
エンジン:3.5ℓ V型6気筒DOHC+モーター
駆動:フルタイム4WD
最高出力:306ps(225kW)/6800rpm
最大トルク:35.7kg・m(350Nm)/5000rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:7AT
車重(kg):1760
新車価格:449万6100円
※2014年発売当時のスペック
ジャガーXE 英国車らしい紳士的な走りを楽しめる バランスを取るならディーゼルエンジン!
ジャガーXEは、ジャガーDNAの基本要素である軽量構造の専門的なノウハウと、洗練されたシャシー・テクノロジーを取り入れたジャガーのコンパクトFRスポーツサルーンだ。日本では2014年に販売が開始され、新世代のジャガーのコンパクトモデルとして人気だ。300万円以内で狙える現行型として今回紹介するのは2019年まで販売されていた前期モデルとなる。
前期モデルに設定されたパワートレーンは大きく分けると2.0ℓ直4ガソリンターボエンジン、2.0ℓ直4ディーゼルターボエンジン、3.0ℓV6スーパーチャージャーエンジンの3種類。3.0ℓV6エンジンはスポーツカーのような鋭い加速が楽しめるホットモデルだ。ただバランスを考えるなら2.0ℓ直4ディーゼルターボエンジンが良い。「インジニウム」と名付けられたこのエンジンの特筆すべき点は、ディーゼルらしい強力なトルクだ。低回転域から430Nmのトルクが溢れ出す。長距離ドライブも疲れ知らずだ。また75%以上がアルミニウム合金のモノコック・ボディ構造が採用されており、軽量であると同時に、強靭で高いレベルのねじり剛性と安全性を保持しているためワインディングでも安定感は抜群だ。
前期型の平均中古価格は約290万円。
ディーゼルモデルも200万円台で狙うことができ、たとえば「XE 20d 2017年式、走行2万9000kmで車両本体価格246万円」というようなものがある。
ジャガーらしい俊敏な走りが魅力のXEが300万円台で狙えるようになってきた。
全長×全幅×全高(㎜)=4680×1850×1415
ホイールベース(㎜)=2835
エンジン:直列4気筒DOHCターボ (ディーゼル)
駆動:FR
最高出力:180ps(132kW)/4000rpm
最大トルク:43.8kg・m(430Nm)/1750~2500rpm
使用燃料:軽油
トランスミッション:8AT
車重(kg):1565
新車価格:497万円
※2015年発売当時のスペック
今回は300万円で現行型が狙えるFR/4WDプレミアムセダン5選を紹介した。ホンダのフラッグシップセダンからメルセデス・ベンツ、ジャガーまでさまざまな高級セダンが300万円以内で狙うことができる。プレミアムカーを中古で検討している方は、ぜひこのなかから好みにあったクルマを選んでいただきたい。