2020年は約30万台の輸入乗用車が販売された。売れたのはどのモデルなのか? JAIA(日本自動車輸入組合)のデータで見てみよう。2003年からのTOP10のデータも振り返りながら、「日本人が好きな輸入車」がどのモデルなのかも考えてみよう。
JAIA(日本自動車輸入組合)のデータによれば、2020年の輸入乗用車の台数は29万7313台。前年比で91.3%だった。コロナ禍の影響もあって久しぶりに30万台を割り込んでしまった。それでも約30万台である。果たしてどのモデルが売れたのか?
2020年 TOP20→11位
20位:ジープ・レネゲード 3881台
19位:メルセデス・ベンツ Gクラス 3866台
18位:フィアット500/500C 4005台
17位:アウディQ2 4118台
16位:BMW 2シリーズ 4239台
15位:メルセデス・ベンツEクラス 4658台
14位:アウディA3シリーズ 4800台
13位:メルセデス・ベンツGLC 4968台
12位:BMW 1シリーズ 5619台
11位:ジープ・ラングラー5757台
ジープ・ラングラーは前年の16位(4873台)から大きくポジションを上げている。レネゲードも20位に入っているから、ジープの人気は高いことがわかる。
2020年 TOP10→4位
10位:メルセデス・ベンツCLA 6233台
9位:メルセデス・ベンツCクラス
8位:ボルボ40シリーズ 6739台
7位:VWポロ 6806台
6位:ボルボ60シリーズ 7112台
5位:BMW3シリーズ 8505台
4位:VW T-Cross
となっている。目立つのはVW T-Crossの登場だ。
それではTOP3を
2020年 TOP3→1位
3位:VWゴルフ 1万264台
2位:メルセデス・ベンツAクラス 10673台
1位:BMW MINI 2万195台
という結果だった。MINIは4年連続輸入車トップの座を守ったことになる。MINI強し! 輸入車トップと言えばVWゴルフ!というイメージが強かったのだが、いまはMINIなのだ。日本人はMINIが好きなのである。
これだけだと面白くないんで、もう少しデータを深掘りしてみよう。
上の表は、JAIA統計データである。元のデータは20位まであるのだが、ここではTOP10を見てみることにする。
これだけだとわかりにくいので、BMW MINIとVWゴルフに色づけした表を作ってみた。
2015年まで不動のトップだったゴルフは16年に首位陥落、そして2020年に3位までポジションを下げてしまった。モデル末期とはいえ、これまでモデル末期でも首位をキープしてきたゴルフとしては非常事態と言える。
次は、もうひとつの宿命のライバル対決、BMW3シリーズ vs メルセデス・ベンツCクラスを見てみよう。
ここ数年はCクラス優位だったが、2020年はG20型に切り替わった3シリーズがポジションを逆転した。
上の表は、2003年~2020年の輸入車TOP10である。
色が付いているのは、2003年から一度もTOP10圏外へ落ちたことがないモデルである。
こうしてみると、ゴルフの人気は盤石だったことがわかる。リーマンショック直後でも年間2万台を切ったことがなかったゴルフが19年に2万台割れ、20年はほぼ1万台となってしまった。ゴルフ8での巻き返しが急務だろう。
いっぽうのBMW MINIは、徐々に順位を上げ、16年にTOPの座に就いた。さまざまなバリエーションを用意しているとはいえ、第3世代に切り替わった2013年から安定して売れ続けている。これは、もう「日本人はMINIが好き!」としか言いようがない。