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日産GT-R vs スカイライン400R 570ps vs 405ps対決 サイズ、エンジン、インテリア、燃費、コストパフォーマンス、トランクスペースを比較してみる


日産が誇るスポーツカー、GT-Rとスポーツセダン、スカイライン400R。かたや570psの4WDスーパースポーツ、かたや405ps強心臓を持つFRセダン。純粋に高パフォーマンスを求めるクルマ好きの高い支持を持つこの2台。あらゆる角度で比較してみる。

1000万円オーバーのGT-R(エントリーグレードのPure editionで1082万8400円)と562万5400円 のスカイライン400Rで、購入を迷う人はいないかもしれない。しかし、日産が誇るパイパフォーマンスカーとしての両モデルに興味を持つ人は多いと思う。




そこで、今回はこの2モデルを同じ角度で比較してみた。

まずはサイズ比較をしてみよう

こうしてみると、両車とお日産の「Vモーショングリル」を採用してはいるが、雰囲気は似ていない。やはりGT-Rの方が「戦闘的」だ。




かつては「スカイラインGT-R」だったわけだから、いまでもスカイラインとGT-Rは近しい関係か、といえば、2007年デビューのR35 GT-Rは、「GT-R専用プラットフォーム」「GT-R専用エンジン」「GT-R専用トランスミッション」などを使い、スカイライン・シリーズとの関連はない。




プラットフォームは


GT-R:PMプラットフォーム


スカイライン400R:FR-Lプラットフォーム


である。GT-Rのデビューは2007年、現行スカイラインV37型のデビューは2013年(国内発売は2014年)だから、GT-Rの方が古そうだが、プラットフォームでいうと、2001年登場のLプラットフォームの方が歴史が長い。ともに、熟成を極めたプラットフォームということもできる。

上:GT-R 全長×全幅×全高:4710mm×1895mm×1370mm ホイールベース:2780mm 下:400R 全長×全幅×全高:4810mm×1820mm×1440mm ホイールベース:2850mm

全長に占めるホイールベースの割合は


GT-R:0.590


400R:0.593


でGT-Rの方が小さい。がGT-Rの方がタイヤが踏ん張っているように見えるのはリヤのオーバーハングが短いおかげだろう。フロントアクスルセンターとフロントドアのオープニングラインまでの長さ、いわゆる「プレミアムレングス」はクーペのGT-Rの方が長い。

トレッドは GT-R:F 1590mm R1600mm 400R:F 1530mm R1560mm

全高はGT-R1370mm、400Rが1440mm。最小回転半径はGT-Rが5.7m、400Rが5.6m

ボディ全幅はGT-Rが1895mm、400Rが1820mm。


トレッドは


GT-R:F 1590mm R1600mm


400R:F 1530mm R1560mm


である。日常の使い勝手に影響する最低地上高は


GT-R:110mm


400R:130mm


となっている。この20mmの違いで(性能上はともかく)ちょっとした段差などで気を遣う機会が全然違う。ちなみに、トヨタ・クラウンRSの最低地上高は135mmである。




車重は


GT-R:1770kg


400R:1760kg


でほとんど同じ。


前後重量配分は


GT-R:前軸軸重970kg 後軸軸重800kg


400R:前前軸重:1000kg 後後軸重:780kg





GT-Rは前54.8% 後45.2%


400Rは前56.8% 後43.2%


となっている。GT-Rのリヤ比重が高いのは、重量物であるトランスミションをリヤに積む、トランスアクスル方式を採るからだ。

エンジン比較

次はパワートレーン比較だ。




GT-Rが積むVR38DETT型も400Rが積むVR30DDTT型も、60度V型6気筒DOHCツインターボという形式は同じ。


パワースペックは


■GT-R


形式:3.8ℓV型6気筒DOHCターボ


型式:VR38DETT型


排気量:3799cc


ボア×ストローク:95.5×88.4mm


圧縮比:9.0


最高出力:570ps(429kW)/6800pm


最大トルク:637Nm/3300-5800rpm


燃料:プレミアム


燃料タンク:74ℓ




■400R


形式:3.0ℓV型6気筒DOHCターボ


型式:VR30DDTT


排気量:2997cc


ボア×ストローク:86.0×86.0mm


圧縮比:10.3


最高出力:405ps(298kW)/6400pm


最大トルク:475Nm/1600-5200rpm


燃料供給:DI


燃料:無鉛プレミアム


燃料タンク:80ℓ




である。もちろん、GT-Rの方がパワフルだが、400RのVR30DDTT型の高レスポンス、滑らかな回転フィールも高評価だ。現在、もっとも洗練されたV6ターボエンジンであるのは間違いない。

形式:3.8ℓV型6気筒DOHCターボ 型式:VR38DETT型 排気量:3799cc ボア×ストローク:95.5×88.4mm 圧縮比:9.0 最高出力:570ps(429kW)/6800pm 最大トルク:637Nm/3300-5800rpm 燃料:プレミアム 燃料タンク:74ℓ

このふたつのエンジンをBMEPで見てみよう。BMEPとは、エンジンの排気量によらずに、トルク特性を横並びに評価するために用いられる理論的な数値だ。排気量あたりのトルクに比例する。


BMEPとは「正味平均有効圧」=Break Mean Effective Pressureのことだ。


最大トルク÷排気量×4π×10で単位は「bar」である。




GT-R:21.07bar


400R:19.92bar




やはりGT-Rの方が高い。

400Rのボンネットフードにはダンパーが付く。フードを開けるとこの景色が見える。

ご興味のある方は少ないと思いますが、これがエンジンカバー
裏側はこうなっている
形式:3.0ℓV型6気筒DOHCターボ 型式:VR30DDTT 排気量:2997cc ボア×ストローク:86.0×86.0mm 圧縮比:10.3 最高出力:405ps(298kW)/6400pm 最大トルク:475Nm/1600-5200rpm 燃料供給:DI 燃料:無鉛プレミアム 燃料タンク:80ℓ

とはいえ、400Rのエンジンの実力は非常に高い。


GT-Rのデビュー時のエンジンスペックは最高出力480ps/最大トルク588Nmだった。このときのVR38DETT型のBMEPは19.45barだ。言い換えれば、400Rのデビュー時のGT-Rと同等の実力を持つと言ってもいいかもしれない。400Rのエンジンのフィーリングは、常に勇ましい音と振動で強心臓をドライバーに印象づけるGT-Rとはだいぶ趣を異にしてジェントルだ(あくまでもGT-Rと比較して、だが)。

トランスミッション

トランスミッションはGT-Rが専用の6速DCTを使うのに対して、400Rはジヤトコ製7速ATを使う。では、400Rの7速ATがスポーツドライビングに向かないかといえば、そんなことはない。ジヤトコが「コクとキレ」を開発コンセプトにして作り上げた7速ATの出来はいい。しかも高速巡航では「7速」あるのが非常にありがたいのだ。




ギヤ比は


GT-R


GR6型6速DCT


1速:4.056


2速:2.301


3速:1.595


4速:1.248


5速:1.001


6速:0.796


後退:3.383


最終減速比:3.700




400R


1速:4.783


2速:3.102


3速:1.984


4速:1.371


5速:1.000


6速:0.870


7速:0.775


後退:3.858


最終減速比:3.133

ペダル類

上がGT-R、下が400R。アクセルペダルは400Rがオルガン式なのに対してGT-Rは吊り下げ式だ

アクセルペダルは、意外なことにGT-Rは吊り下げ式。400Rは高級セダンらしくオルガン式を採用する。パーキングブレーキは、GT-Rはサイドブレーキレバーで操作するが、400Rは足踏み式。

サスペンション&タイヤ

左がGT-R、右が400R

左がGT-R、右が400R

フロントサスペンション形式は


GT-R:ダブルウィッシュボーン式


400R:ダブルウィッシュボーン式


で同じ。


当然だが、4WDのGT-Rには、フロントにもドライブシャフトが見える。




リヤサスペンション形式は


GT-R:マルチリンク式


400R:マルチリンク式


でこちらも同じ。

左がGT-R、右が400R

ブレーキは


GT-Rがブレンボ製対向ピストン式・フロント6ポット、リヤ4ポット。


400Rは同じく対向ピストン式でフロントは4ポット、リヤが2ポットである。




タイヤは


GT-R:F255/40ZR20 R285/35ZR20


400R:F&R 245/40RF19


両車ともにランフラットタイヤを履く。

燃費は? 計算上の航続距離は?

燃費は?


ともにハイパフォーマンスカーだから、燃費は気にしない、という人も多いだろうが、モード燃費は次のようになっている。




GT-R


燃費:WLTCモード 7.8km/ℓ


 市街地モード:5.2km/ℓ


 郊外モード:8.4km/ℓ


 高速道路モード:9.4km/ℓ




400R


燃費:WLTCモード 10.0km/ℓ


 市街地モード 6.5km/ℓ


 郊外モード 10.6km/ℓ


 高速道路モード 12.5km/ℓ




である。燃料タンク容量を掛け合わせると


GT-R:577.2km


400R:800km


走行できることになる。400RがスカイラインGT(グランツーリスモ)であることが窺える足の長さだ。

価格は? コストパフォーマンスは?

今回取り上げたのはGT-R Premium Editionと400Rだ。


価格は


GT-R Premium Edition:1351万6200円


スカイライン400R:562万5400円




GT-R Premium Editionは400Rの2台分+226万5400円(新型ノートX 218万6800円)ということになる。




ちなみに1ps=いくら?で計算すると


GT-R:2万3713円


400R :1万3890円




1Nm=いくらで計算すると


GT-R:2万1219円


400R :1万1843円


となる。




GT-Rのハイパフォーマンスと400Rのハイコストパフォーマンスがこの数字からもわかる。

今度はインテリアを比べてみよう。


両モデルともにデビュー年次がそれなりに古いから、大型のディスプレイを使っていないのが特徴。日産らしい「男の仕事場」的なコックピットと言える。


GT-R:室内長×幅×高 1730×1475×1095mm


400R:室内長×幅×高 2000×1480×1180mm(サンルーフ車1160mm)




となっている。

左がGT-R、右が400R

GT-Rは、Black editionとTrack Edition engineered by NISMOはレカロ製シート。Pure editionと写真のPremium editionはセミアニリン本革シート 。運転席も助手席もパワーシートだ。(運転席:スライド、リクライニング、リフター、サイサポート 助手席:スライド、リクライニング)


400Rは運転席パワーシート(スライド、リクライニング、リフター、サイサポート)、 シートバックサイドサポート、サイサポートエクステンション 付き。助手席もパワーシートだ(スライド、リクライニング、リフター、サイサポート)。

左がGT-R、右が400R

GT-Rのリヤシートは、完全にプラス2扱い(乗車定員も4名)。子どもなら座れる(前席に座る人の体格次第だが)が、大人は厳しい。


400Rはスカイライン・セダンだから、もちろん後席は大人ふたりが余裕で座れる。乗り心地も悪くない。

左がGT-R、右が400R。ステアリング調整はどちらもチルト&テレスコピックだが、400Rが電動式なのに大して、GT-Rは手動。しかも非常に固くて調整するのは苦労する。

トランクスペースは?

上がGT-R、下が400R

GT-Rのトランク容量は315ℓ。リヤシートは固定式でトランクスルーはないが、ゴルフバッグなら2セット、スーツケースなら特AサイズとCサイズをひとつずつ積み込むことができ、日常性にも配慮している。


400Rのトランクは、高さ:435㎜ 通常奥行き:890㎜で容量は500ℓ。後席を倒し室内と貫通できるトランクスルー機構を備える。

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