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予算300万円で中古車を買う:空前絶後のラグジュアリークーペ、ユーノス・コスモで2021年は脱ロータリー童貞! 


お題は「300万円の予算で中古車を選んでください」。年末恒例の「欲しいクルマ企画」、motor-fan.jpの編集部リレーコラムでお届けします。本日は、Motor-Fan.jp編集部員の長野達郎の番です。

FD3Sもいいけれど、ユーノス・コスモに引かれてしまう2021年

2021年がやってきた。2021年といえば、マツダのFD3S型RX-7の生誕30周年である。30年といえば、毎日軟式テニスに汗を流していた中学3年生が、頻尿に悩む45歳の中年に退化するほどの長い月日である(私のことだ)。




日本人の平均寿命を鑑みれば、すでに私の人生も折り返し地点をとっくに過ぎている。ガソリンエンジンも私自身も、あと何年、この世に存在し続けられるのだろうか。サヨナラだけが人生だ。




…いかんいかん! ちあきなおみの『喝采』をリピートしながら原稿を書いていたら、新年早々、すっかり暗い話になってしまった。読者の方々、申し訳ございませんっ。




それはともかく、私自身の車生活を振り返ってみると、ロータリーエンジン搭載車を所有したことがない。というか、ロータリー車は運転すらまともにしたことがない。20年前、FD3S型のRX-7を街中でちょろっと流したことがある程度だ。




2022年前半にロータリーエンジンが復活する計画が明らかにされているが、あくまでもEVの発電用として用いるというもの。まだしばらく内燃機関の時代は続くだろうが、高回転まで気持ちよく吹け上がるロータリー独特のフィーリングを味わえる新車が今後出ることはないのだろう、残念ながら。ならば、ロータリー搭載の中古車が市場に出回っているうちに、早めに手に入れておかなければ…と最近よく思うのである。




となれば、冒頭の話の流れからしてFD3S型RX-7を候補に挙げるべきだろう。




しかし、私が欲しいのは、バブルという時代が産んだ空前絶後のラグジュアリークーペ、ユーノス・コスモである。FD3Sにはなくてコスモにあるもの、その筆頭が唯一無二の3ローター「20B」エンジンだ。もしかしたら、フェラーリのV12エンジン車は今後運転できる機会があるかもしれないが、「V12エンジン並みの滑らかさ」を誇るという3ローターを味わえるのは今のうちではないか。そう思うのである。

ユーノス・コスモのデビューはFD3Sよりも1年早い、1990年。ロードスターといい、ユーノス500といい、80年代末〜90年代前半のマツダのデザインは、神がかっていた。

全長4815mm、全幅1795mm、全高1305mmというロー&ワイドなスタイル。V12を搭載するジャガーXJ-Sよりも50mm長く、40mm高い。全幅は同一だ。

コスモは、バブル期に開発されただけのことはある贅沢なクルマだ。シートに使われる本革はオーストリアのシュミットフェルドバッハ製で、肉牛用として室内で飼われていた牛の17〜20ヶ月ものを、1台につき3頭分使用。そして本木目は、フランスの楡材を原材料としてイタリアの工房が加工を担当していたという(ニューモデル速報第84弾『ユーノス・コスモのすべて』より)。




賃貸マンションではニトリの家具に囲まれている私だが、コスモの贅沢な車内空間には憧れの念を抱かざるを得ない。

コスモはカーナビにGPSを初採用したことも画期的だった。今では当たり前の装備は、コスモが原点だったのである。
ラグジュアリーな内装! 2021年の今見てもまったく色褪せない。美魔女である。

グーネット中古車を検索してみたところ、ユーノス・コスモの中古車は全国に8台。そのうち、300万円以下の3ローターの搭載車は2台存在した。




気になるのは、リッター3km/L以下とも言われる燃費だ。CAFEだカーボンフリーだと言われている2021年に運転するにはいささか肩身が狭い気もするが、実際に所有したとしてもおそらく乗るのは月に1〜2回程度。ならば、地球環境への影響も大したものではない…と言い訳をしたい。

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