かつてホンダの開発者として数々の名車を世に送り出した繁浩太郎さんが選んだ「理想の2台持ち」は、クラシックミニとBMW MINI(2代目)というまさかの組み合わせ! しかし、「ミニが好きなんですね」と問われた繁さんの答えは否。その真意とは!?



TEXT●繁浩太郎(SHIGE Kotaro)

ミニとMINIを介した周囲とのコミュニケーションが楽しかった

クラシックミニとBMW MINI。



この2台所有が、私の理想だ。実際、つい3か月程前まで、この理想の2台持ちであった。

クラシックミニを「ムシ」と命名し、BMW MINIを「紋吉」と命名していた。

1959年登場当初は、オースチン・セブンまたはモーリス・ミニ・マイナーと呼ばれていたオリジナル・ミニ。2000年まで製造が続けられた。

クラシックミニのインテリア。風情がある。

2001年にBMWが復活させたMINI。巧みなデザインアレンジとダイレクトなドライブフィールで多くの新しいファンを獲得。2006年には写真の2世代目にバトンタッチした。

2代目BMW MINIのインテリア。丸がモチーフになっている。

この2台は家の外の屋根なし車庫に停めていたので、外の道から良く見えた。



ボディ色はムシのルーフがオフホワイトと紋吉がシルバー、ボディはどちらも黒と見た目を合わせた。何より、近所ウケが良かった。「親子みたいですね」が一番多かった。



この2台を水洗いしている時なども近所の人から良く声をかけられた。「ミニがお好きなんですね」も多かったが答えは「いいえ、そんなことないです」「じゃ何故?」「この2台、親子みたいで楽しいでしょ」と続く。



近所や全く知らない人から声をかけていただくことが2台持ちの目的の一つだった。少なくなった、クルマを介してのコミュニケーションができる。



この頃は新車を買っても近所の人は何も言わないし注目もしない。そういう意味でホントにクルマは白物化している。

ムシの方は昔のクルマで世話も必要だし、乗るのにコツも必要だ。紋吉との大きな差はボディサイズだが、走りに関してはムシがよりリアルに走る。ZOOM会議とリアルの会議位の差がある。



硬いサスやキャブレターのガバッとした走りは現代のクルマにはない。路面の状況の変化も良くわかる。雨が降って滑りやすいときは滑る。



ブレーキは狙ってマスターバックも取っていたので、当たり前の話だが踏んだ力分しか効かない。今は踏んだ力以上にしかもチョイ踏みで効き、いざグッと踏みこんでもそれまでの効きの延長で効かない。つまり踏力と効きの関係がリニアでない。



アクセルも同じでメーカーは走るクルマというのを強調したいのかチョイ踏みでスロットルは大きく開いて加速するが、それ以上踏み込んでもその延長で加速しない。



これに比べてトルク特性がフラットでないエンジンでキャブの加速は楽しい。まさに加速度的に加速する。ちなみにSUツインキャブレターの調整は難しく専門ショップとうたっているとこでもできないトコは多い。



このように、私の価値観では見た目も走りもクルマはつまらなくなってきている。クルマ離れも確かにあるが、クルマで楽しめる範囲が確実に狭くなってきているという事もあると思っている。



親子というルックスだけでなく、このようにその走りや世話の仕方もこの2台は大きく異なる。私にとって、まさに理想の2台だ。



何故手放したか???



一つは、ムシを気に入って是非買いたいという人が出てきたこと。もう一つは日本においては車検・税金などクルマ所有に対して経費がかかり過ぎるということだ。



年金暮らしで2台持ちは辛い。

『理想の2台持ち』は毎日更新です!



1台でなんでもこなすよりも、目的を分けた2台を所有することで、カーライフはもっと豊かになる。ということで、自分のライフスタイルや好みに合わせた理想の2台の組み合わせを、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに!

情報提供元:MotorFan
記事名:「 【理想の2台持ち|クラシックミニ&BMW MINI】ミニが好きなわけじゃないのに新旧ミニを所有していたのはなぜ!?(繁浩太郎)