2008年から続く人気テレビ番組『クルマでいこう!』のキャスターとしても活躍する岡崎五朗さんが選んだ「2020年の推しカー」の第1位は、シトロエンC5エアクロスSUVのガソリンモデル。1000万円は払わないとこれ以上乗り心地のいいクルマは手に入らないと絶賛だ。
TEXT●岡崎五朗(OKAZAKI Goro)
3位はレクサスLCコンバーチブル。試乗前からその華やかかつ優雅な存在感に心惹かれていたのだが、真冬の富士で試乗してさらに気に入った。完璧な風のコントロールとよくできた空調によって外気温0度でも素晴らしく快適なオープンエアクルージングを満喫できた。加えてオープン化したことで5LV8エンジンの咆哮がよりストレートに聞こえるようになったのも嬉しい。これほど刺激的ないい音を聴かせてくれる日本車は他にはない。
次にメルセデス・ベンツGLB。事務的に言えば3列シートを備えるコンパクトSUVとなるが、キモはその乗り味。とくにガソリンエンジンを積む上位グレード「250 4マチックスポーツ」の重厚でまったりしたフットワークは往年のメルセデス味を色濃く感じさせる。僕は90年式の300E(W124)を日頃の足として使っているが、他ではなかなか味わえない独特のフィーリングをもっとも強く感じさせてくれるのが、SクラスでもEクラスでもなくGLBだというのはとても興味深い。
乗り心地と言えば、シトロエンC5エアクロスSUVに追加されたガソリンエンジンモデルの卓越した快適性にも驚かされた。
ディーゼルモデルも特筆に値する快適性の持ち主だったが、フロントを中心に120㎏軽くなったガソリンエンジンモデルのフットワークにはさらに磨きがかかっている。適度に軽快でありながら、路面と絶対に喧嘩をしないと心に決めたかのような優しいタッチは乗っていて心も身体も芯から癒やされる。少なくとも1000万円は払わないとこれ以上乗り心地のいいクルマを手に入らない。それが415万円となればコストパフォーマンスの高さは抜群だ。
歳をとってきたせいか、最近乗り心地のいいクルマに惹かれるわけだが、同じように感じている人がいたらシトロエンC5エアクロスSUVには是非試乗してみて欲しい。