御堀直嗣さんが選んだ「理想の2台持ち」は、日産リーフとマツダ・ロードスター。リーフは家庭に電力を供給できるVtoH機能が魅了で、ロードスターはMTモデルで人車一体を味わいたいという。
TEXT●御堀直嗣(MIHORI Naotsugu)
EVの快適さは一度味わったらやめられない
理想の2台の組み合わせは、マツダ・ロードスターと、日産リーフだ。
ロードスターは、幌でマニュアルシフト。もっとも廉価な車種で運転を素直に楽しみたい。その目的であれば、コネクティビティやオーディオなどに凝る必要もない。中古の程度のよいものを掘り出せれば嬉しい。
日常のクルマとしてはEV(電気自動車)以外に考えられない。いま、3代目のプリウスに11年も乗っているが、トヨタの営業に次はEVしか買うつもりがないと言ったら、二の句も出なかった。そして、「実はトヨタ車の選択肢にEVがないことに困っている」と漏らした。
EVのなかでは、本当はテスラ・モデル3が一番欲しい。基本的に4ドアセダンが好きだからだ。しかし、テスラでは、VtoH(ヴィークル・トゥ・ホーム)が使えない。リーフとしたのは、EVとVtoHはセットだと考えるからだ。それでなければ意味がないと思っている。ホンダeも魅力的だが、年間1000台しか売らないのだから、簡単には買えないだろう。
東京に住んでいても、過去に豪雪はあったし、昨年の台風15号のような風台風では千葉県で3週間ほど停電になり、同じことが将来的に東京で起こることも想定される。単に電気代を節約したいというだけでなく、甚大化する自然災害に対し、暮らしが電気に頼っている今日、EVでVtoHをやっていれば、日常生活を続けられる可能性が高まる。もちろん、家が壊れてしまったら元も子もないが...。
EVの快適さは、一度味わったら止められない。先般、運転免許証を取得して最初に買ったクルマがEVだという二十代の若者たちに会った。彼らは、エンジン車に全く興味がないという。そういう時代がもう訪れているのだ。
ちょい乗りぐらいでEVのよさはわからない。そういう人が、急速充電器が足りない、距離が短いなどと文句ばかり言う。
ゼロエミッションな暮らしは、清潔で快適なのだ。そして、道のすいたとき、ロードスターのマニュアルシフトで人車一体を味わえれば、カーライフとしては最高ではないか。それでも、乗馬に比べたら物足りない。本音を言えば、EVで乗馬に行ければ、私はそれでいいのだ。