各自動車媒体から引っ張りだこの売れっ子自動車ジャーナリスト、岡本幸一郎さんが選んだ「2020年の推しカー」はBMW 2シリーズ グラン クーペ、キャデラックXT6、ホンダ・フィット。先代のフィットは登場当初からその完成度に疑問を感じていた岡本さんだが、新型はプラットフォーム流用とは思えないほどの進化を遂げていて驚いたという。
TEXT●岡本幸一郎(OKAMOTO Koichiro)
人から「○○○ってどう?」と聞かれたときに背中を押したり考えなおさせたりするのは得意だけど、個人的な「推し」となると意外と難しいものだなと思ったりしましたが、まず3位に推したいのはBMW 2シリーズ グラン クーペです。
FFのBMWなんて興味ないという方も少なくないし、1シリーズの場合はFFになって残念という思いが筆者にも強くあるのですが、なぜか2シリーズ グラン クーペなら許せてしまいます。
なにせスタイリッシュ! このルックスだけで大満足です。これだけカッコよくて質感が高くて走りがよければ文句ありません。
とくにM235i xDriveでスポーツモードで走ると、FFベースとは思えない回頭性を楽しむことができます。そのデザインや走りには、FFになったことをとやかく言わせないというBMWの意地を感じます。
2位は、おそらく他には誰も推さないであろうキャデラックXT6にしましょう。このクルマをご存知ない方も少なくないと思いますが、ご存知のエスカレードの弟分として新たに加わったニューモデルです。
価格はエスカレードの3分の2以下でありながら、パッと見ではエスカレードに負けないほどゴージャスな雰囲気で、しかも乗り味が軽快で現代的に洗練されているのがポイントです。
ちなみに筆者はかつてセビルSTSを愛車にしていたことがあり、当時はこんなにハイカラなセダンはないと思っていました。キャデラック、イイですよ!
1位は、筆者がCOTYでも10点を投じたフィットを推します。
フィットにはいろいろ感心しています。まず、発売されてからこれまで何度も乗る機会がありましたが、そのたび何か新しい「心地よさ」を発見させてくれたこと。それも従来型ではあまり出来がよくないなと感じていたプラットフォームを流用しながらも、努力を重ねてここまで心地よく仕上げることができたのもたいしたもの。とてもベースが同じとは思えません。
さらにはホンダセンシングについて、レーダーがなくなったことを残念に思っていたのですが、ぜんぜんそんなことはなくて、性能の高いカメラをフルに駆使してできる限りのことをやったことで、実際の機能は大きく向上しています。
『2020年の推しカー』は毎日更新です!
いよいよ2020年もラストスパート! ということで、今年(2019年12月〜2020年11月)に発表・発売されたクルマ(マイナーチェンジ・一部改良・追加モデルなどすべて含みます)のなかから、「他人はどうかわからないが、個人的に大好きだ!」という"推しカー”を3台、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに!