出光興産は、徳山事業所に高効率ナフサ分解炉をこのたび新設した。今後、試運転期間を経て、2021年2月に商業運転を開始する計画。
高効率ナフサ分解炉は、原料であるナフサを短時間で熱分解することでエチレンの得率を高め、熱効率を向上させる。これにより、従来の分解炉によるエチレン生産時と比較し約30%の省エネルギー効果が発揮でき、年間約16,000トンのCO2削減に寄与する。
ナフサは粗製ガソリンとも呼ばれる石油製品のひとつで、分解炉を経由し熱分解することで、エチレンやプロピレンなどといった石油化学製品の基礎原料となる。徳山事業所ではエチレン製造装置により年間約62万トンのエチレンを生産し、主に周南コンビナート(山口県)に供給している。今回、エチレン製造装置内にある旧型のナフサ分解炉二基を停止し、高効率ナフサ分解炉一基を新設した。
なお、本件は工場の省エネルギー化を支援する経済産業省の「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」を活用し実施した。