
冬のアウトドアで必須な暖を取る道具。それはストーブだ。今回はスズキ・ジムニーにキャンパル ・チビストーブを載せてアウトドアでおでんを楽しむことにした。
TEXT &PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)

冬のキャンプ場の風物詩に、「ワンポールテントから突き出る煙突」から煙が漂っている風景がある。夕暮れ時などはかなり哀愁があり、里山の原風景と重なり胸がきゅんとなる。僕自身は薪を使う生活は子ども時代に経験しているが、アウトドアでの薪ストーブの経験はなく、ましてやワンポールテント、大きな荷物を満載してのキャンプ経験もあるわけではない。これからはさまざまな経験を積んで、僕なりの考えを紹介していくつもりだ。




今回は、今の流行のキャンプアイテム、薪ストーブ。「購入してあるテンマクデザインのサーカスTCDXに薪ストーブの煙突を延長し、煙突の熱対策を考えて薪ストーブを入れ込む」という構想を建ててうずうずしているが、テントの中へ薪ストーブを持ち込むのは薪ストーブに慣れてからにしようと考えている。ウィンナーウェル、テンマクデザインのウッドストーブなどは、非常に高価な物でもあるにもかかわらず、台数限定での発売と同時に売り切れてしまうなど、人気の製品はなかなか入手困難であるのが現状でもあるが、さまざまな想像を膨らませて楽しんでほしい。

では、調理器具としての薪ストーブはどうなのか。天井部分に蓋があり火を直に調理器具に当てる物や、ストーブの天板が得た熱を調理器具に伝導していくタイプなどがあるので、今ある調理器具も考慮して選んでいけば良いだろう。

僕が使っている薪ストーブは、キャンパル ・ちびストーブ。天井部分に丸い蓋があり外せるタイプなので、底が丸い土鍋もぴったりと載せられる。キャンパル・ちびストーブの点火では、底に灰を2センチくらい敷き、太目の薪を最初に一本横向きに入れ、バトニングした細い薪を空気の流れを考慮しながら組み、ゼリー状の添加剤を使う。こうすることで、いとも簡単に乾き切った薪は燃え始める。
すぐに調理に進むと火力の調整が難しいので、ある程度は燠火ができるまで待つ。炎が安定して火力調整しやすくなるまで揺らめく炎や音を楽しみながら待つのも薪の楽しみ方のひとつである。

さて今回のキャンプ飯は、薪ストーブに載せた土鍋でおでんだ。蓋を閉じてスモーカーを置けば薫製もできるはずだ。キャンパル・ちびストーブは薪以外にも、炭も使える火ビツがあるので、クラシカルに焼き肉もやってみようかと考えている。
キャンプでは、暖房や調理など火を使うことが多いので、くれぐれも扱いには注意し、周りへの配慮も当然必要である。まずは安全な設置場所からスタートし、自分自身のグッズを吟味しながら慣れていくことが、安全で無理のないキャンプに繋がると考えている。

例えばではあるが、あるキャンパーの使っているキャンプグッズとすべて同じ物を揃えても、設置場所が少しズレたり、薪の種類の違いで熱量が上がり、テントを痛めたり、出火してしまうということもあり得る。すべて自己責任であるが、自分自身で考え、最善の方法を模索することもアウトドアの楽しみ方のひとつと考えている。

日常生活では電化が進み、火を扱う事自体がこれから先は少なくなるだろう。炎を見ると癒されるという感覚は、どうなっていくのだろうか。人類が炎を手に入れ、暖を取り、調理を始めた頃の火の有難さは遺伝子情報として潜在意識に残っていくのだろうか。少なくとも僕は、揺らめく炎に癒されていたいようだ。
後半の写真は、僕が使っているアウトドア用の暖房器具。参考までに載せてみた。





