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【2020年の推しカー|マツダ3(スカイアクティブX)】世界唯一のガソリン圧縮着火燃焼エンジンに乗れる喜び(世良耕太)


毎年、数多くのニューモデルに試乗・取材する世良耕太さんが選んだ「2020年の推しカー」は、ランドローバー・ディフェンダー、ホンダe、マツダ3のスカイアクティブX搭載車の3台。世界唯一のガソリン圧縮着火燃焼エンジンであるスカイアクティブX車に乗るということは、自動車の歴史の一部を手に入れる感覚だという。




TEXT●世良耕太(SERA Kota)

11月17日からは2021年モデルの受注が開始となったランドローバー・ディフェンダー。ロングホイールベースの110には、マイルドハイブリッド採用の3L直6ディーゼルが新導入された(754万円〜)。

全長約5m×全幅約2m×全高約2mの巨体の持ち主で、車両重量は2.2トンを超える。中間グレードの110 SEの車両本体価格は732万円で、体積あたり、あるいは重量あたりで単価を弾き出したら、相当お買い得なのでは? と感じる。




豚肉や牛肉(鶏肉でもいいが)と違って100gいくらで評価する対象ではないが、ランドローバー・ディフェンダーのバリュー・フォー・マネーがすこぶる高いのは間違いない。エクステアリアもインテリアもモダンで質が高い。ラダーフレームシャシーからオールアルミ製モノコックに変更した効果か、動きもしっかりしている。そして、2.0L直4ターボエンジンは、大きく重たいディフェンダーを快活に走らせる。




この巨体を収めておけるガレージがあって、自宅周辺の道路も充分に広くて...という条件がそろっているなら、積極的に勧めたい1台だ。

10月30日から発売が開始される前から販売予定台数に達したため、受注を一時停止していたホンダe。現在は第二期オーダー受付期間として、数百台に限ってオーダーを受け付けている。一部報道によると、来年春頃をめどにのEVの補助金は約2倍程度になるという。来年は、EVの普及が加速するかもしれない。

高い(装備が充実したAdvanceの全国メーカー希望小売価格は495万円)し、電気自動車だし(充電設備が必要)、一充電走行距離が短い(WLTCモードで259km)ので買い手を選ぶが、所有欲を大いにくすぐるクルマである。




まず、小さくてかわいい。未来を先取りしたかのような先進的なインテリアがいいし、居心地がいい。従来のドアミラーをカメラに置き換えただけでなく、カメラありきで設計しているため、外にあるカメラの存在が気にならないし、ディスプレイの視認性もいい。




そして何より、走りがいい。応答性が高く、力強い。フレンドリーな内外観に惑わされてしまうが、EVスポーツカーと呼ぶにふさわしい実力の持ち主である。

マツダ3にスカイアクティブX搭載車が加わったのは2019年12月のこと。ガソリンの「圧縮着火」による燃焼でリーンバーン(希薄燃焼)を可能とし、ガソリンエンジンならではの高回転までの伸びの良さと、ディーゼルエンジンの優れた燃費・トルク・応答性といった特長を融合したという。スカイアクティブDよりも約40万円高だが、自動車史に残るエンジンを手に入れられるならば安いもの!?

2019年12月以降に登場したモデルが今回の企画の対象なので、マツダ3にモデル追加(というか、発売が遅れた?)されたスカイアクティブX搭載車もリストアップの対象になる。だとすると、文句なしの「推しカー」である(とくにファストバック。6速MTで、AWDが個人的には好み)。




世界でこのクルマ(とCX-30)だけしか積んでいないガソリン圧縮着火燃焼エンジンを自分のものにできる点が、最大の推しポイントだ。大げさにいえば、自動車産業の歴史の一部を手にする感覚である。




ただそれだけのためにカッコ悪くて退屈なクルマを買う気にはならないが、マツダ3がいいのは、エクステリアもインテリアも上品でカッコ良く、走りがいいこと。スカイアクティブXはマツダ3の魅力をさらに押し上げるための要素として機能しているのがポイントだ。




2020年くくりなのでこれをいっては反則かもしれないが、2021年1月にはスカイアクティブXのアップデート版搭載車が発売され、さらに魅力が増す。

ちなみに、マツダ3はこの11月に商品改良を実施。スカイアクティブXは「e-スカイアクティブX」へと名称を変更し、ソフトウェアのアップデートにより、最高出力は180psから190psに、最大トルクは224Nmから240Nmにそれぞれ向上している。

新型コロナウイルスの外出自粛期間中にすることがなかったので(?)、名刺のデザインを一新。ありもののテンプレートの中から選ぶだけなのだが、頻繁に手に取って目にするアイテムだけに、気分転換の効果は抜群だった。

『2020年の推しカー』は毎日更新です!




いよいよ2020年もラストスパート! ということで、今年(2019年12月〜2020年11月)に発表・発売されたクルマ(マイナーチェンジ・一部改良・追加モデルなどすべて含みます)の中から、「他人はどうか分からないが、個人的に大好きだ!」という"推しカー”を3台、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに!
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