再開した5万円ベスパの復活大作戦。フロアの裏側を素人でも板金風に処理してしまう方法を紹介したが、今回はフロアの表側も処理しよう。裏表が済んだら、いやでもスタンドを取り付けて自立させたくなるもの。そこで今回はスタンドを処理するのに使ったサンドブラストの使い方も交えて紹介しよう。

フロア表側も裏で試した方法をそのまま続行する。

 さてさて、今回もサビ穴だらけのフロア補修からスタートしよう。前回処理したフロアの裏側は2日後に確かめてみると、実に硬く強くなった。こんな処方箋があるならオジさんには朗報なのだが、それはさておき……。

 手で触れた感じは鉄板の感触とは違うものの、明らかに強度がありそうだ。身近な例えで言えば、遊園地の遊具や湖などにあるスワン型のボートを思い出していただければいいだろう。ちょうど触った感じはそんな感触なのだ。つまり、そうそう割れたり剥がれたりしないだけの強度を持たせることができたと思う。

 劇的な効果にニンマリしつつ、ボディをひっくり返してフロア表側も同様の処理をしていこう。と、ここで問題発覚。タイトル写真を見ていただければ一目瞭然なのだが、フロア裏に塗ったPOR15がサビ穴から垂れ、ボディの表面に付着してしまっていたのだ! これは不覚だが、固まってしまったものは仕方ない。落とす方法を考えつつ、作業を続けよう。

念には念をいれノックスドールを再処方する。

 フロア表側にPOR15を塗りつつ、サビ穴を塞ぐ前にフト思った。前回は裏側から作業したので、穴からスプレーしたノックスドールは表側の裏(わかりにくいが2重構造になっているフロアの上の鉄板の内側)に集中しているのではないか。だとしたら、ひっくり返したボディの表側からもスプレーしなければ全面にノックスドールが行き渡らないだろう。そう考え、POR15を塗る作業を一旦止めて、サビ穴からノックスドールを再処方することにした。

フロアマットのビス穴からもスプレーしよう。

 前回は言葉だけで説明したが、フロア中央の盛り上がったトンネル部分にはフロアマットを固定するビス穴がある。ここからノックスドールをスプレーしたと紹介した。その模様がこの写真だ。実にビス穴がスプレーノズルの口径とドンピシャ!

 前回スプレーしたときは感じなかったが、今回フロア表側からスプレーすると、意外にも各所からノックスドールの溶剤が滲み出してくる。これをそのままにしてPOR15を塗ると、油分が悪さをしそうだ。滲み出てきた溶剤はしっかり拭き取り、念のためパーツクリーナーで処理しておこう。

表側のサビ穴もガラス繊維マットで塞ぐことにする。

 前回紹介したように、フロア表側に空いているサビ穴にも同じ処理をする。ガラス繊維マットを小さく切り分けて、POR15を垂らしてフロアと同化させてしまう作戦だ。

 前回お伝え忘れたが、このガラス繊維マットを切るとガラス繊維が細かくなって空中に舞う。また細い糸状のものが散乱する。これらを吸い込むと体にはとても良くない。というかFRP職人なら誰でも知っていることだが、ガラス繊維は吸い込むと体外に排出されないので、肺などに蓄積されてしまう。有害極まりないので、必ずマスクを着用しよう。

ガラス繊維マットごとPOR15を塗りサビ穴を塞ぐ。

 マスク着用はガラス繊維マットを切る作業中だけでなく、サビ処理のためワイヤーブラシで鉄板をゴシゴシしている間も着用しよう。作業中はサビ粉が舞い散るので、絶対に吸い込んでしまう。これも身体に良くはない。

 ガラス繊維マットにPOR15を垂らしてフロア表側全面的に筆塗りした。またトンネルとの継ぎ目に見られたサビにも塗っておく。この写真がその模様だが、果たしてこれでPOR15塗装を終了して良いものか。というのも黒く塗った部分にボディと同じブルーを塗ればいいが、ここはフロアマットで隠れてしまう部分。別にこのままでも良いような気がする。これ以上作業するかどうかは美意識の差といえそうだ。

以前にサビ取りケミカルの実験をしたトランクにも塗る。

 フタを開閉するとサビ粉が落ちてくる始末だったトランク。以前の記事でサビ取りケミカルの実験台になってもらったが、その後放置していたらサビが再発していた……。ということで、こちらもワイヤーブラシでサビ取りした後、POR15を塗ることに。部分的に青い部分が散見されるが、これは筆者が下処理で塗装面を荒らす手間を省いたため。塗料のノリは悪いだろうが、まぁ良しとする。

サンドブラストキャビネットの登場だ!

 前回の記事で本来ならボディ全体をサンドブラストすれば理想的にサビが落とせると紹介した。ただ、これだけ大きなモノはキャビネットに入らないので諦めていたわけだが、ボディではないパーツなら試すことが可能。ボディの処理ができたら、次はボディを自立させるためにスタンドをつけたい。でも取り外したスタンドはサビと汚れが盛大に付着している。だったら、これをサンドブラストで処理してみようと考えた。

サンドブラストに使う研磨材。細かい砂のようなものだ。

 サンドブラストはガラスビーズなどの粉状の研磨材を、圧縮エアーで吹き付け汚れやサビ、果ては塗装まで剥がしてしまうことができる機材のこと。写真が研磨材で、手で触るとサラサラと本当に砂のような感触。これをブラストキャビネット内側の底に溜めて使用する。

外しておいたセンタースタンド。見事に汚い。

 サンドブラストの実験台になってもらうのは、ベスパについていたセンタースタンド。このスタンド、使用するとどうも傾いているように感じたし、スプリングの反発力も弱くなっている。再使用するかどうか迷っていたが、とりあえずサンドブラストでどこまで甦るか試してみよう。

スタンドのゴムを外すのに15分くらいかかった。

 キャビネットへ入れる前にスタンドからゴムを外そう。と思って隙間へ潤滑スプレーをしてゴムをグリグリ回そうとしたのだが、まったくいうことを聞いてくれない。おそらくゴムとスタンドの間がサビで固着しているようだ。

 ということで荒技だがゴムとの間に貫通ドライバーを突き刺し、ハンマーで叩きまくることにした。だが、叩いたくらいではビクともせず、叩き入れたドライバーをグリグリと内部でこじり回してみた。その結果左右2つを外すのに15分くらいかかってしまった。ゴムの内部にはサビ粉が1センチ以上溜まっていた。

キャビネットにスタンドを入れて、いざ実験!

 サンドブラスト機はエアコンプレッサーと接続して使う。ということでコンプレッサーを始動して接続。キャビネットにスタンドを入れたらゴム手袋に手を通して内部にあるスプレーガンから研磨材を吹き付けるのだ。キャビネットの底に白い研磨材が溜まっているが、この程度の量ではなかなかサビや汚れは落ちないので、何度か注ぎ足して作業した。

ガ〜ン、スタンドに穴が空いてしまった……。

 まぁ、よくあることなのだが、サビで薄くなった鉄板をサンドブラストすると破れたり折れてしまう。なんと今回スタンドをサンドブラストしていたら、サビで固着していたゴムの入っている部分に大きな穴が空いてしまった。これではサビを落とす以前の問題である……。

 これだけ脆弱になったスタンドを再使用する気にはならない。ここは素直に補修部品を買って交換することにしよう。ということで今回は残念なオチになってしまった。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 【ベスパレストア計画】サンドブラストを試したら、穴が空いてしまった……。