三菱電機は、EV(電気自動車)バスやEVトラックなどの大型EV向けの新たな充電インフラ構築を目的に、「大容量EVスマートチャージングシステム」を開発した。
本システムが策定した最適な充電計画に基づく自動制御充電などにより、システム全体での最大電力使用量を抑制し、大型EV充電時の配電系統の安定化や充電コスト削減を可能にするとともに、大型車両のEV化促進による環境負荷の低減に貢献する。
このシステムはアルファバスジャパンが輸入・販売するEVバスとの接続確認を完了しており、今後、2020年12月から本格的な技術実証を行い、2022年の実用化を目指す。
開発の特長
・大型EVの電池残量や翌日の走行スケジュールからシステムが自動で策定した最適な充電計画に基づき、充電を自動制御することで、システム全体での最大電力使用量を抑制。配電系統への負荷抑制による安定化や充電コスト削減に貢献
・太陽光発電システムで発電した電力を定置型蓄電池に充電し、大型EVの充電に活用することで、配電系統へのさらなる負荷低減が可能
・大型EVからの高出力放電にも対応し、車載電池をシステム内での電源としても活用可能
・電気を交流から直流へ変換するAC/DC変換器と直流電圧を変換するEV充電器の電力変換素子にSiC半導体を採用し、電力変換効率を向上
・太陽光発電システムや定置型蓄電池と直流連系することで電力の変換損失を低減し、システム全体での低消費電力化を実現
・1台の充電器で4台の大型EVを充電できる大容量のEV充電器を開発し、システムの省スペース化を実現