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ジヤトコ、日本アイ・ビー・エム:変速機開発業務に「IBM Engineering」を活用、グローバル開発における品質向上とコスト削減を支援


ジヤトコと日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、ジヤトコがグローバル規模で行っている自動車部品開発の要件管理や成果物管理に「IBM Engineeringソリューション」を活用し、製品開発におけるデジタル変革を推進していくことを発表した。次世代製品を対象として「IBM Engineeringソリューション」の適用を日本開発拠点から進めてきており、2020年10月から既存製品の適用開発も対象としたグローバル開発拠点への本格展開を開始した。

 ジヤトコは、自動車用オートマチックトランスミッションの専門メーカーとして、ステップATやCVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)の開発・製造を行っている。中でもCVTの分野では、世界で唯一、軽自動車から大型車までをカバーするトップシェアメーカーとして市場をリードしている。さまざまな業界標準規格や各種法規の遵守など、社会的要請に基づいた開発が必要となっているのに加え、昨今の社会情勢によって働き方改革やリモート開発への期待が高まる中、開発におけるデジタル変革の推進は喫緊の課題となっている。




 ジヤトコでは、日本だけにとどまらず、韓国・中国などグローバル拠点にも開発業務を展開し、各拠点における自動車メーカーの要求に合わせたトランスミッションの設計を行っている。グローバル開発における開発業務の効率化や品質向上を実現するために、開発部門全体を通じたシステムズエンジニアリング手法の展開と、それに合わせたデジタル変革に取り組んでいる。その一環として、自動車会社からジヤトコ内まで首尾一貫した要求・要件管理と、手配時の開発成果物を確実に残すためのベースライン管理についてIBM製品を用いた取り組みを行うことになった。




 要求・要件管理では「IBM Engineering Requirements Management DOORS」が採用された。要求や仕様を可視化し、その関係性を定義することにより、設計工程における確実なトレーサビリティーを実現している。要求の抜け漏れや担当者間の認識違いを防ぐことができるようになり、設計品質の向上、手戻りの減少による開発コストの削減、市場に出すまでの時間短縮を図ることができる。




 ベースライン管理では「IBM Engineering Workflow Management」を採用した。業務フローをテンプレート化し、フローに従って時系列に開発成果物を格納することにより、各手配時に開発成果物を確実に残す仕組みを実現している。開発中に成果物の開発状況をリアルタイムにチェックできるようになり、また次の開発に向けて効率的に開発成果物を再利用できるようになる。加えて、市場不具合の発生時に迅速に対応できるようになるなど、開発業務における説明責任を果たしやすくなる。これにより、作業品質の向上やコスト削減を図ることができる。




 当ソリューションを含めたシステムズエンジニアリング手法の展開により、開発の初期段階で高品質な設計を行うことができ、本来は後工程で発見されるであろう課題や欠陥に対して事前に対処できようになるため、約50%の手戻率の改善が見込まれている。




 日本IBMはジヤトコに対し、IBM製品に加えて、グローバルも含めた業界知識、製品スキルを基にした製品コンサルティング・サービスを提供している。複数の開発部門、管理部門への開発業務や開発成果物のヒアリング、製品コンセプトとのFit&Gapを経て、製品を用いたときの最適な管理構造を提案した。その管理構造に合わせて開発成果物と製品テンプレートを整備し、ユーザー教育やヘルプデスクを通じてユーザーの製品利用に向けた支援活動を続けている。今後もIBM製品やコンサルティング・サービスを通じてジヤトコ様の開発競争力強化を支援していくという。

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