生方聡さんが選ぶおすすめSUVは、予算300万円までならスズキ・ジムニー、予算600万円までならボルボXC40、そして価格無制限ならアウディe-tronスポーツバックをセレクト。特にXC40は輸入コンパクトSUVの中では出色の存在だという。
TEXT●生方聡(UBUKATA Satoshi)
予算300万円までなら「スズキ・ジムニー」
モデルチェンジですこしモダンになったが、小型オフローダーとしての無骨さを受け継ぎ、あいかわらず孤高の存在を続けるジムニー。贅沢ざんまいのいまのクルマと見比べると、その潔さはとても魅力的で、頼れる道具として、いつもそばに置いておきたいSUVである。
予算600万円までなら「ボルボXC40」
北欧スタイルのモダンなデザインが魅力のボルボのなかで、扱いやすいサイズがうれしいコンパクトSUVがこのXC40だ。
最近の改良で、全グレードで電動化を進めて、プラグインハイブリッド車と48Vマイルドハイブリッドをラインアップ。さらに近い将来、電気自動車が加わる予定だ。この電動化により、ガソリンエンジン仕様でも力強い加速を楽しむことができ、一方、プラグインハイブリッド車なら、電気自動車とハイブリッドの良い部分を、無理なく楽しめるのがうれしいところ。しかも、走りは軽快で、乗り心地も快適。居心地の良い室内も大きな魅力で、その完成度はきわめて高い。それでいて、価格もリーズナブルなだけに、輸入コンパクトSUVを考えているなら、ぜひチェックすることをお忘れなく!
予算が無制限なら「アウディe-tronスポーツバック」
無理矢理SUVというくくりに入れてしまった感はあるが(笑)、いま一番ほしいと思う魅力的なSUVが、アウディ渾身の電気自動車であるアウディe-tronスポーツバックだ。
アウディは、よりSUVらしいデザインのアウディe-tronと、全高1615mmのSUVクーペスタイルが与えられたアウディe-tronスポーツバックの2本立てで、電気自動車の世界に参入したわけだが、都会的デザインと力強い加速、洗練された走りは、まさに新時代のアウディにふさわしい極上の仕上がり。自慢の4WD技術であるクワトロは、電気仕掛けになっても、過去の経験が受け継がれ、300kWという圧倒的なパワーを余すところなく路面に伝えてくれるのだ。常に自然で軽快なフィーリングのハンドリングを実現するところも、まさにクワトロの魅力であるし、これまで以上に運転が楽しいクルマである。
自動車メーカーが本気で電気自動車をつくるとこうなる、という見本がこのアウディe-tronスポーツバックで、こんなクルマで電気自動車デビューしたいと思う、憧れの一台だ。
『予算別ベストSUV・3選』は毎日更新です!
ますます人気が盛り上がっているカテゴリー、SUV。自動車メーカーも開発に力を入れており、ラインアップが充実しているのはうれしいのだが、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。
そんな迷えるSUVオーナー予備軍のために、「予算300万円まで」「予算600万円まで」「予算無制限」といった具合に予算別のベストSUVを紹介。毎日、自動車評論家・業界関係者に3台選んでいただくので、明日の更新もお楽しみに。