コマツは、最新技術を随所に織り込み、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」2014年基準に適合したコマツ独自の機種であるホイールローダー「WR12-8」を9月より発売したと発表した。
今回発表されたモデルは、WR12-6のモデルチェンジ機として、約3年ぶりに2014年基準適合車として導入される待望のWR12シリーズだ。従来機のコンパクト性や狭い現場での高積みを可能にする高効率な作業性は継承しつつ、他機種で好評な機能を新たに標準装備している。
また、前後進切り換えスイッチを備えたマルチファンクションモノレバーを新たに標準装備し、1本のレバーでブーム、バケット、リーチアームの操作が可能だ。ただし、従来機と同様のPPC作業機レバー(2本)もオプションで用意している。さらに、車両後方に視認用カメラを標準装備し、7インチの液晶ディスプレイモニターで後方の安全確認をサポートする。
このモデルは、産廃仕様車もあわせて導入する。激しい作業環境において、優れた生産性と作業性に貢献するほか、異物の目詰まり、かみこみ、吸入などによる破損の防止対策や清掃メンテナンス容易化により、産廃処理作業で真価を発揮し安全・快適な作業をサポートする。
1.環境性、経済性
コマツが長年積み重ねてきた独自のエンジンテクノロジーを結集し、オフロード法2014年基準をクリアしたクリーンエンジンを搭載。エンジンを自社開発・自社生産している強みを生かし、さらなる環境負荷の低減と優れた経済性の両立を実現している。
可変容量ポンプと、モーターの電子制御により、シフト操作がフルオート化され、変速操作やキックダウン操作は不要となり、アクセルワークだけで車速コントロールが行なえるので、オペレーターの負荷が軽減されて作業に集中できる。また、トルクオフがないため、坂道での発進やかき上げ時に車両のずり下がりがなく、また車速がゼロからでも大きな駆動力を発揮するため、すくい込み作業が容易だ。さらに、2モーター(低速モーター・高速モーター)方式電子制御により高効率でパワフルな作業性と高い最高車速の両立を実現している。
2.作業性・操作性
リーチ機構の採用により、コマツのWA480-8クラスのホイールローダーと同等の作業範囲を実現することで、産廃用ダンプ等への積み込みや狭い現場での高積みを可能にしている。また、地上水平、チルト、ダンプにかかわらず角度変化なしで作業機が上下する、パラレルリンケージを採用することでフォークリフト作業が簡単に行なえ、生コン等液状の物も運搬できる。1台で多彩な作業をこなし、様々な現場で高効率な作業に貢献する。
前後進切り換えスイッチを備えたマルチファンクションモノレバーを標準装備している。1本のレバーでブーム、バケット、リーチアームの操作が可能だ。リーチアームの操作は、レバー上面に備えたプロポーショナルコントロールスイッチにより、指先で行うことができる。また、オペレーターの体格に合わせてポジションをセットできる上下スライド式リストレストでベストポジションを確保し、オペレーターの疲労軽減に貢献する。
3.安全性
車両後方に視認用カメラを標準装備する。7インチの液晶ディスプレイモニターで後方の安全確認をサポートする。また、リヤービューモニターには輝度調整スイッチを装備し、オペレーターの任意で明るさの微調整が可能だ。
【発売月】2020年9月
【公表価格】1855万円 *工場裸渡し消費税抜き
【販売目標】50台(国内のみ)