ボルグワーナーは米国時間の2020年10月2日、デルファイ・テクノロジーズの買収が完了したと発表した。
ボルグワーナーとデルファイ・テクノロジーズが統合されることにより、ボルグワーナーのエレクトロニクスやパワーエレクトロニクス製品がより充実し、開発能力及び生産規模がさらに強化され、電気駆動システムにおける業界トップクラスの企業が誕生する。将来に向けて自動車の駆動システムが電動化へと変革を遂げる中、同社のビジネスを有利に展開する準備が万全となった。
ボルグワーナーの社長兼CEOであるフレデリック・リサルド氏は「デルファイ・テクノロジーズの買収を完了できたことをうれしく思う」と語り、「今回の統合により、内燃機関、ハイブリッド及びEVに関連する業界有数の製品やシステムのライナップが整うこととなり、ビジネスをさらに発展させる上で当社にとり大変有利な形となった。この統合が商用車とアフターマーケットのビジネスをさらに拡大することを期待する。世界中のデルファイ・テクノロジーズから合流する社員をボルグワーナーチームの一員として歓迎し、電動化に向けた市場の変革に一丸となって取り組んでいく。また、新型コロナウイルスのパンデミックを乗り越え、円滑な統合を進めるための強固な基盤を築きながらもビジネスを推進し続けた統合計画チームを含むグローバルの従業員を誇りに思っている。統合は株主、顧客やサプライヤーの皆さまに大きなメリットをもたらすことを確信している」と述べている。
ボルグワーナーとデルファイ・テクノロジーズの統合により、次のことが期待される。
● ボルグワーナーのエレクトロニクスやパワーエレクトロニクス製品の充実、開発能力及び生産規模の強化により、有数の電動化システムの企業となり、電動化がさらに普及する中、同社がビジネスを有利に展開する上で万全の体制で臨むことできる。
また、デルファイ・テクノロジーズは生産、供給及び顧客の強固な基盤を有しており、それらと共に業界をリードするパワーエレクトロニクスに関する技術力と豊富なノウハウをもたらすことになる。統合後の会社は、一連の一体型及び独立型のパワーエレクトロニクス製品(高電圧インバーター、コンバーター、オンボードチャージャーおよびバッテリー・マネジメントシステムを含む)や開発能力(ソフトウェア、システム統合および熱管理を含む)を顧客に提供することができる。
● ボルグワーナーの内燃機関、商用車及びアフターマーケットのビジネスを強化する。
デルファイ・テクノロジーズの豊富な内燃機関に関連する製品は、現代のエンジンを動力とする自動車の効率と性能を向上させるクリーンテクノロジーを中心とするボルグワーナーの革新的な製品群を補完。デルファイ・テクノロジーズの商用車及びアフターマーケットのビジネスを加えることにより、ボルグワーナーの乗用車、商用車及びアフターマーケット各部門の事業規模のバランスが改善される。
グローバル市場におけるアフターマーケットの顧客は、ボルグワーナーおよびデルファイ・テクノロジーズが提供するOE品質(純正同等品)のアフターマーケット部品、サービス、診断ツール、およびテスト機器の幅広い製品群の中から、これまで通り最適なものを選択することできる。デルファイ・テクノロジーズ・アフターマーケットは引き続きボルグワーナーのブランドとしてブランド・アイデンティティを引き継ぎ、世界中の顧客はこれまで信頼関係を築いてきた窓口を通じ、セールス及びカスタマーサービスのサポートを受けることができる。
デルファイ・テクノロジーズの株主による承認、規制当局の認可、デルファイ・テクノロジーズの債務に関する特定条件の充足、および慣例的な締結条件の履行または放棄の手続きを経て買収取引が完了している。この取引が完了したことにより、デルファイ・テクノロジーズの普通株式はニューヨーク証券取引所での上場が廃止される。