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【輸入車ベスト3(藤島知子編)】第1位:アウディS1/第2位:フィアット500 /第3位:ランドローバー・ディフェンダー


これまでの人生において、所有したり試乗したりした輸入車のなかからベスト3を業界人に選んでいただく本企画。フジトモこと藤島知子さんがチョイスした2位は2台乗り継いだフィアット500、1位は約10万kmも乗り続けるアウディS1。どちらも思い入れの強い愛車たちだ。




TEXT●藤島知子(FUJISHIMA Tomoko)

日本と国で生まれた輸入車は、それぞれのブランドならではの世界観や国民性が現れていたり、走る道やクルマとの向き合い方によって、クルマを作る上で重視されるポイントが違っている点が面白い。今回は私にインパクトを与えた3台のモデルを選ぶことにした。

第3位:ランドローバー・ディフェンダー(2020年-)

ランドローバーといえば、本格オフローダーを作り続けてきた英国のブランド。今では、洗練性をテーマとしたレンジローバーファミリーのほか、ジャガーのSUVも同じグループ内で技術を共有しているが、同社のオフローダーのルーツにあり、ランドローバーの世界を象徴するモデルはディフェンダーなのだ。




2020年には、数十年ぶりにフルモデルチェンジしたモデルが日本に上陸したが、それまで本格オフローダーの神器とされていたラダーフレーム構造から、オンロードで優れた操縦性を発揮しやすいモノコック構造に変更された。ところが、新型のモノコックボディのねじれ剛性ときたら、従来のフレーム構造の約3倍の強度を確保。2.2tを超える巨体をモノともせずに抜群の操縦性と共に峠を駆け抜けていく様は、現代の技術をもって在るべき走りを突き詰めていて、もはや、他の追従を許さないレベルといえる。




車外の壁面に設置する収納ボックスやアウトドアで活用できる機能性もあったりする究極のタフギアー。ギラギラしておらず、全てを受け止めてくれそうな包容力と逞しさを持ち合わせている点では、もはや、いま最もモテるSUVといえるのではないだろうか。

第2位:フィアット500(2007年-)

2007年に日本市場に導入されて以来、2020年3月には日本国内の累計販売台数は5万台を達成した。




実は私もキュートなデザインに心を奪われた一人で、2ぺダルの1.4Lと5MTの1.2Lを2台乗り継いでしまったほど。5ナンバーサイズのボディは軽自動車+αのコンパクトなサイズで、ドアミラーは電動ではなく手動で折りたたむという割り切りよう。そもそも車幅が狭いから、運転席からサイドウインドウを開けて手を伸ばせばミラーに手が届くといったところにも、素朴な可愛さが感じられた。何より、昔あったリヤエンジンの500のイメージをフロントエンジンの前輪駆動に変更し、現代の安全要件を叶えながら、見事なまでに現代版にリバイバルしてみせたデザインは拍手もの。




アバルトはスポーティだけれど、フィアット版の500はお散歩感覚でドライブできるホノボノ感を与えてくれる。老若男女問わずに愛され、周囲に微笑み返してもらえるキャラクターがまたいいのだ。

第1位:アウディS1(2014年-)

初めて撮影でハンドルを握ったとき、あまりに素晴らしいモデルだったことから、私自身がすぐに新車で購入し、5年半で9万9000kmも走行距離を伸ばすほど堪能している。




超ハイスピードなアウトバーンや車速が高いカントリーロードでクルマを鍛えあげたドイツメーカーならではの堅牢さを持ち合わせていて、Bセグメントのコンパクトカーでありながら、抜群の操縦安定性を披露してくれる。アウディらしいクールな佇まい、五感に訴えかける内外装の品質、そして磨き上げた乗り味が備わっているあたりは、それまで、このクラスのモデルでは体験したことのないものだった。




心臓部にはS3のデチューン版となる2Lのガソリンターボエンジンを搭載。6MT専用車で、なおかつアウディのラインアップのなかで最小のクワトロモデルだが、ドライバーが操作を行ない、クルマ側の状態がドライバーにフィードバックされるやりとりがじつに繊細で、まるで、意思でクルマを走らせているような錯覚を覚える。




電動化、2ペダル化が進む時代だけに、もうこうしてクルマとピュアに対峙できるモデルが新車で購入できなくなっていくのかと思うと、口惜しい。

※写真は左ハンドル仕様

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