7月28日、日産自動車、岩手日産自動車、盛岡日産モーター、日産プリンス岩手販売、日産チェリー岩手販売、陸前高田市、そして東北株式会社の計7者は、「電気自動車を活用した持続可能なまちづくりに関する連携協定」を締結したと発表した。
日産が締結した自治体・企業との「災害連携協定」はこれで47件目。電気自動車レンタカー事業者と連携した協定は全国初
この本協定の内容は、陸前高田市が、『走行中排出ガスゼロの電気自動車の普及を通じて、持続可能なまちづくりの実現に向け、環境負荷の低減に取り組むとともに、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である岩手日産自動車、盛岡日産モーター、日産プリンス岩手販売および日産チェリー岩手販売の所有する電気自動車「日産リーフ」と、東北の所有するレンタカー「日産リーフ」を無償で貸与し、電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める』というもの。
陸前高田市は2019年7月1日、岩手県内初の「SDGs未来都市」として選定され、2030年のSDGsの達成に向け、持続可能なまちづくりの実現に取り組んでいる。市が掲げる「創造的な復興(ビルド・バック・ベター)と防災・減災による安全・安心なまちづくり」の一環として、電気自動車の活用を促進する。
また、陸前高田市は、2020年度に環境に優しい電気自動車「日産リーフ」の公用車導入を予定。さらに電気自動車の普及を目指し、新庁舎への急速充電器の設置やEV優先駐車場の設置も予定している。
東北は、市の環境対策・災害対策を後押しすべく、二次交通手段として「日産リーフ」のレンタカー「三陸おもてなしレンタカー」のサービスを開始し、環境に優しく持続可能な移動手段を提供している。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」の取り組みを発表。その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。また「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。
日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」活動とSDGs達成への貢献、そして陸前高田市が推進するSDGs達成に向けた取り組み、東北の環境負荷低減の取り組みに互いが賛同し、同協定を締結する運びとなった。電気自動車を活用した「連携協定」の概要は以下のとおり。
【協定の概要】
・日産自動車、岩手日産自動車、盛岡日産モーター、日産プリンス岩手販売及び日産チェリー岩手販売は、陸前高田市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、日産販売会社の店舗に配備している電気自動車「日産リーフ」および充電器を無償で貸与する。東北は、自社が所有する電気自動車「日産リーフ」のレンタカーおよび充電器を無償で貸与する。
・陸前高田市は、岩手日産自動車、盛岡日産モーター、日産プリンス岩手販売、日産チェリー岩手販売及び東北の協力により電気自動車からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
・陸前高田市および日産自動車は、電気自動車の普及促進の一環として、地域の子ども向けの環境教育『わくわくエコスクール』を実施する。
・陸前高田市、日産自動車、岩手日産自動車、盛岡日産モーター、日産プリンス岩手販売、日産チェリー岩手販売および東北は、平常時も電気自動車の防災対策としての広報活動を推進し、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての災害・停電時等の有効性、活用策を市民へ積極的にアピールし、電気自動車の普及促進と、市民の環境・防災意識向上を目指す。
・東北は、環境に優しい観光を推進すべく「日産リーフ」のレンタカーを市に導入する。
日産自動車は、人々の生活を豊かに、というビジョンのもと、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスをお届けするとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。そして「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指している。
今回の「連携協定」も、日産の「ブルー・スイッチ」活動に基づくもので、日産自動車が締結した自治体・企業との連携協定としては、今回が全国で47件目となる。また、日産自動車が締結した連携協定のなかで、電気自動車レンタカー事業者と連携した協定は全国初である。
2021年3月11日で、東日本大震災からちょうど10年。約7万本が大津波で流されたなか、唯一耐え残った「奇跡の一本松」は、陸前高田市の復興のシンボルとして今もなお、後世に受け継がれている。陸前高田市、日産自動車および東北は、この震災から10年を迎えようという節目の年の協定締結を機に、今後の未来に向けて、もしもの時に備えた電力構築体制の強化と、安心で持続可能なまちづくりを力強く推進していく。
そして今後も、環境活動をはじめとするSDGsの推進や、電気自動車の普及を通じた防災、エネルギーマネジメント、温暖化対策、観光、過疎化など、様々な地域課題の解決に向けて、さらに連携を強化していく構えだ。