7月20日、日本自動車工業会は、「大型4社は2021年までに実用的な後続車有人隊列走行システムの商業科を目指す」と発表した。2019年6月から新東名の約140km区間を使って、トラック隊列走行の公道実証実験が行われていたことは既に知られているが、4社協調技術を使うことで、実用化促進に踏み切る考えを表明した。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
大型4社とは、いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスのことを示している。
隊列走行で使われる基本デバイスは新車には既に導入されているACC (アダプティブ・クルーズ・コントロール)がベースとなるものだが、今後はそれを進化させた協調型車間距離維持支援システム(CACC:コーペラティブACC)の搭載が要となる。
車車間通信機能を追加する事で、より確実で安全な追従走行を可能とする。つまり後方から見える前車の動きを把握するだけではなく、前車の運転操作そのものが無線通信で伝達され、前車の走行(操作)状況をリアルタイムで把握する事で、安全に車間距離を詰めたり、将来的には後続車無人化隊列走行の実現にも大きく貢献するのである。
今回の発表は、実証実験で培われたデータやノウハウを4 社が共有し、一丸となってある種企画統一した形での技術開発を進め今後の早期実用化を目指す。という内容。具体的に先ずは使い勝手等の(使用デバイスも)統一が図られた、ACC とLKA (レーン・キーピング・アシストシステム)の標準装備化が計画されているもよう。
隊列走行の先には後続車無人自動運転の実現も見えてくる。条件が整った(を整えた)中での運行を目指しているだけに、社会に根ざすクルマの自動運転技術では先行することも予想され、今後の展開には大いに期待したいところである。