スーパーカーの世界に押し寄せるターボ化の潮流は、フェラーリV8も例外ではない。そんななか、頑なに大排気量自然吸気エンジンを搭載し続けているのがランボルギーニ。ウラカンのV10は「脳内麻薬ドバドバ!」ものだと、大乗フェラーリ教の開祖である永福ランプさんも太鼓判だ。
TEXT●永福ランプ(EIFUKU Ramp)
1台目:ランボルギーニ・ウラカン EVO【エンジン:BUJ】
スーパーカーには自然吸気エンジンが希少になってきた。そのなかから1台選ばなきゃ!と思い、ウラカン選出させていただきました!
私が最後に乗ったのはペルフォルマンテだったけど、現行のEVOとおんなじだべ? とにかくこの5.2リッターV10エンジンはすげえ! 超本気マシンだけど超扱いやすくて、ウルトラスーパーに8500rpmのトップエンドまで突き抜ける! サウンドの演出も完璧! 脳内麻薬ドバドバ!
フェラーリV8がターボ化された今、こんなエンジン、絶滅危惧種そのものだ。保護しなきゃ。まぁ絶滅後も中古車が流通し続けるだろうから、生命はほぼ永遠です!
2台目:メルセデス・ベンツ S400d【エンジン:656】
つづいてディーゼルクラスから、究極のスムースネスを実現しているメルセデスS400dの3リッター直6ディーゼルをば、選ばせていただきます。
まさにとろけるような回転フィール! なにこれ! と叫ばずにはいられない豊饒さ。ディーゼルとしては想像を絶するほど静かだけど、ガソリンエンジンよりは圧縮比が高い分、微妙に爆発感があるので、ちょっとだけ粒が残った100%ジュースのように、内燃機関のヨロコビが満喫できまする。1回しか乗ったことないけど、ホントにゼイタクだったなぁ……。それでいて燃費がすさまじくイイ。最高!
3台目:フォルクスワーゲン・ポロ GTI【エンジン:CZP】
最後にホットハッチ部門は、ポロGTIの2リッター直4ガソリンターボに決定。ゴルフGTIやらRはもうちょいパワフルだけど、なぜか私は200馬力のポロGTIが一番気持ちよく感じたのですよ。
なぜだろう? 馬力が低い割に演出がすばらしくて、バオーンとかパンパンパンとか、レーシングカーっぽい音がいっぱいして、それでいてそこまでメチャメチャ速くはないので、加速をしっかり楽しめる。激速マシンだと加速が一瞬で終わっちゃうでしょ、サーキットじゃないと。ウラカンもホントは速すぎるけど、乗ったのがサーキットだったから印象が良かったのかな。公道じゃもうムリ! 公道だと私のフェラーリ328(270馬力)くらいがベストだヨ! 陶酔の極致! 余計な話でしたスイマセン。
【近況報告】
愛車の1台・シトロエンDS3のスポーティで固すぎる足が、走行2万キロを超えてついになじんできたらしく、乗り心地がシットリしてきた! うれしくて涙が出ます。
【プロフィール】
1962年東京生まれ。編集者を経て自動車ライター。現在までに49台のクルマを購入、うち13台がフェラーリ。「フェラーリを買えばシアワセになれる」が教義の大乗フェラーリ教の開祖。
『気持ち良いエンジンならこの3台』は毎日更新です!
内燃機関は死なず! 世の中の流れは電動化だが、エンジンも絶えず進化を続けており、気持ちの良いエンジンを搭載したクルマを運転した時の快感は、なんとも言えないものだ。そこで本企画では「気持ち良いエンジンならこの3台」と題して、自動車評論家・業界関係者の方々に現行モデルの中から3台を、毎日選んでいただく。明日の更新もお楽しみに。(モーターファン.jp編集部より)